出版社内容情報
クロスボウで射殺された麻薬密売人。事件の裏には北アイルランドを揺るがす秘密があった。ショーンは捜査中、IRAに襲われ……
内容説明
キャリックファーガスの団地で麻薬密売人の男が射殺された。自警団の犯行として捜査が行われるがショーン・ダフィ警部補は、事件がそう単純なものではないことを直感する。事件当夜に被害者と会っていた不審な男、何かを隠す被害者の妻…。さらに捜査中、ショーンは何者かに命を狙われてしまう。そして事件は北アイルランドの闇へとつながっていき―現代警察小説の新たな地平を拓くシリーズ第六弾。
著者等紹介
マッキンティ,エイドリアン[マッキンティ,エイドリアン] [McKinty,Adrian]
イギリス北アイルランドのキャリックファーガス生まれ。オックスフォード大学で哲学を学んだのち、様々な職業を経て、2000年ごろから小説執筆を始める。2003年に刊行したDead I Well May Beで長篇作家デビュー。同書で英国推理作家協会(CWA)賞スティール・ダガー賞にノミネートされる。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀ペイパーバック賞を受賞した
武藤陽生[ムトウヨウセイ]
英米文学・ゲーム翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
112
ダフィ刑事6作目。80年代、紛争の火種が日常のすぐ隣にあった北アイルランドの街の空気感を映し出してきたシリーズも88年まで到達。今回も悲劇の歴史の傍らで、現実感のある一人の刑事目線で街のあるがままを伝える様をしっかりと味わえた。グイグイと読ませるのはやはりダフィのシニカルだがウィットに富んだ人間性と粘り強い気概心の魅力。さらに今回は父親姿が新鮮。とにかく家庭に健康に仕事に悩みだらけ。ストレスMAXのクソ会話が楽しい。ローソンとの音楽談義もクスクスと。地獄と天国、どちらでも彼の頑なさは今後も変わらないはず。2022/07/27
のぶ
98
北アイルランドを舞台にした、ショーン・ダフィシリーズ6作目。時代は1988年、治安当局によるテロ対策が強化されていた時期で、物語は麻薬密売人の男が射殺されたところから始まる。当初は自警団の犯行として捜査が行われるが、ショーン・ダフィは捜査に赴くが、事件がそう単純なものではないことを直感する。やがて大きな事件の匂いを嗅ぎ取るが、そんな最中にショーンにも大きな危機が迫っていた。ショーンは事件を解決にもっていけるのか?ショーンにも家族ができ、新たな展開になって面白かった。この先のシリーズも楽しみだ。2022/07/02
ケイ
97
刊行されるたびに書店の目立つところに並ぶシリーズの作家さんなのに……、この作品の売れ行きが悪くてUber配達員を一時していたが、それにドン・ウィンズロウが手を差し伸べて、次に出した単発の作品がベストセラーになり、作家専業に戻った! という法月さんの解説に驚いた。やっぱりベスかな?評判落とすのは…🤔💭 あと音楽が多すぎかもね。ブリティッシュロックの歴史は、確かにこうして、なぞられるべきものだとは思うけれど。残りの3冊頼みます。サーガ、完成させてよね。2023/01/12
ずっきん
89
くそロマンチックで、くそ皮肉屋ショーン・ダフィ降臨。くそお待ち申し上げておりました。前半は当時の北アイルランド物としてくそ楽しめるし、文学音楽ネタはいつも以上にくそ熱いし、怒涛の後半では心臓くそ止まるかと思ったし。なによりパパショーンの奮闘ぶりに、こんなにほのぼのさせられるとは! 常に前作を凌駕し続けてる稀有なシリーズ。今作もそうだった。あい、楽しかったよ、キャリック•ファーガスのみんな。著者の新作『Island』も読みたいけど、残り三作、ダフィと北アイルランドを早く見届けたい。2022/09/08
カムイ
60
シリーズも2/3が終わり残り三冊の予定である、まだ刊行されていないがダフィがアイルランドにとどまるのもわずかなのだろう守るものができたし日々のうんざりする車底を確認しながらの生活は喜劇に近い笑えないジョークだ。冒頭からの拉致に遇うダフィの絶体絶命の危機からはじまり終わりは安心した、がちょっとそれは無いじゃないかとダフィ、身を守るにはわかるけどアイルランドの国事情が奏せざることはしょうがないのかもしれない。読了した時はこれで終わりと侘しさもあったが早く続きが読みたいです。父親になったダフィ今後の活躍も期待だ2024/03/23