出版社内容情報
殺人現場には人体の一部と謎の座標が残されていた。刑事ベアトリスは狡猾な犯人を追う
内容説明
オーストリアのザルツブルク近郊の牧草地で、女性の他殺体が発見された。遺体の足の裏に彫りこまれていた座標が示した場所には、切断された片手と、人探しを指示する奇妙な手紙があった…。不可解な事件に挑むことになったのは、州警察の刑事ベアトリスとフローリン。二人はとぼしい手がかりから犯人を追うが、犯人は警察の裏をかき、ついにはベアトリスに直接呼びかけてくる。オーストリアのベストセラー・ミステリ!
著者等紹介
ポツナンスキ,ウルズラ[ポツナンスキ,ウルズラ] [Poznanski,Ursula]
1968年にオーストリア、ウィーンに生まれる。医学系出版社で働いた後、2003年に児童小説を発表しデビュー。児童文学やヤングアダルト分野で人気作家となり、数々の賞を受賞した。2010年に発表した初の大人向けミステリである『“5”のゲーム』は、刊行後たちまちベストセラーとなった。ウィーン在住
浅井晶子[アサイショウコ]
ドイツ文学翻訳家、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程認定退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うまる
28
ミステリ×ジオキャッシング(宝探しゲーム)。遺体の足の裏に彫られた座標から始まる犯人とのゲーム、とてもわくわくする展開です。犯人や動機は予想が付くと思いますが、圧倒的に犯人側が有利な状況でどう捜査していくかが見物でした。警察コンビのキャラが魅力的で、特に同僚のフローリンがステキです。犯人は、目的を果たすためにイヤイヤやったと言っていますが、殺害方法がかなり残酷なので、苦手な方は要注意です。訳者あとがきに、次作はフェイスブック絡みの事件と書かれていて、とても面白そうなのに、翻訳版が出ていなくて残念です。2020/01/17
星落秋風五丈原
26
ジオキャッシングという実際のゲームが取り入れられている。ネット上で匿名でゲームをしてアイテムを隠しあい暗号によってそれらの位置を探すというもの。日本語のシニガミが名称として出てくる。響きがいいのか?なぜあんなに嫌っている夫と結婚したのかと思っていたらそういう事か。ベアトリス夫に対してひどくない?途中ちょいちょい彼女自身に過去へのトラウマがあることが示唆される。これが本作のみのことなのか次作にも響くエピなのか。 2022/12/08
🐾ドライ🐾
11
農場で女性の遺体が見つかり、足の裏に緯度と経度が彫られていた。示された場所で発見した容器には切断された男性の手と次の場所を示す暗号文があった。 ジオキャッシング(アメリカ発祥、公式ルールのあるGPSを用いた地球規模の宝探しゲーム)を利用した犯人と刑事の追跡劇。それに加え主人公ベアトリスが警察官になるきっかけとなった若い頃のトラウマ、2人の子供をめぐる元夫アキムとの諍い、相棒フローリンとの信頼関係……ボリュームたっぷり。真犯人と動機についてはおおよそ推測できるが充分楽しめる。2017/05/14
むらさきめがね
10
普通に面白かった。続編が出たら読みます。フローリンにキュン。ジオキャッシングなるものに興味津々丸。2015/08/18
barabara
9
拾い物!謂わば宝探しのような参加型ゲーム、ジオ・キャッシングの特性を連続殺人と結びつけて、ヒントから何につながるのか読むものの興味を煽っていく。読んでる最中は、本当に現実の嫌なことを忘れて宝探しの世界に没頭できた。シンママ女刑事の疲労度も肌で伝わってきて、刑事以外の雑事に追われる姿も親近感を覚えた。人間が出来ている相棒フローリンが豹変しなくてよかった。一夜を過ごしてあのジェントル振り、何が裏がありそうだもの、いかにも。2014/12/02