内容説明
エルヴィスは、生きていた。30年前に心臓発作で死んだのは替え玉で、本人はここ、テキサス州の老人ホームで、老いた体をベッドに横たえているのだ。怠惰で目的のない日々がひたすら続く、そんなおり、彼はホームの中を超自然的生物が徘徊していることに気がつく。燃えるロックンロール魂がよみがえった!キング対怪物の対決や、いかに?奇想天外にして感動の表題作をはじめ、テキサスの大巨匠が叩き出す渾身の12篇。
著者等紹介
ランズデール,ジョー・R.[ランズデール,ジョーR.][Lansdale,Joe R.]
1951年テキサス州グレードウォーター生まれ。テキサス大学卒業後、さまざまな職業を経て1980年に作家デビュー。ミステリ、ホラー、SF、ウェスタン、コミックの原作まで、さまざまなジャンルの作品を発表し、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学賞を受賞。2000年の『ボトムズ』では、アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)の最優秀長篇賞を獲得した。作家であると同時に、武道家であり、独自に考案した護身術の師範でもある。テキサス州在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
62
「ヴェイルの訪問」「審判の日」「案山子」のみ読了。ランズデールのこちら側の作品群は体力のある時じゃないとついていけない様です。フットワークを軽くして!又元気な時に残りの作品を読むことにします。でもなんといってもランズデールは「ボトムス」が好きでした。2018/04/19
hit4papa
33
ランズデールらしさ満開の愉快で残酷できゅんとなる作品集です。ホラーありミステリありSFあり青春小説あり男のドラマありとてんこ盛り。不快感ギリギリで乾いた笑いを誘う毒々しさが良いですね。映画化されているタイトル作は、自身をプレスリー、そしてJFKと思い込んでいる老人(ケネディはなんと老婆)たちが悪霊と戦うお話し。馬鹿々々しくも手に汗握る逸品です。ボクサーたちの男の世界を描いた「審判の日」はハードボイルドさがたまりません。ランズデールのシリーズキャラクターパップ&レナードものの短編2編はファン向けですね。2017/08/06
りー
28
これは見事な大衆小説!「大衆向けの」という意味ではなく、「権威に背を向けた」という意味での大衆小説であって、決して不特定多数におすすめできる内容では無いのだけれど。テキサスのキングとも呼ばれているそうで、「ステッピング・アウト、一九六八年の夏」なんかの始まりはまるでスタンドバイミーの如くなんだけれども、その後がまあ酷い酷い。汚物、グロ描写、人種差別、下ネタをこれでもかとばかりに放り込んでくるし、ちょっと喩えられたキングがかわいそうなくらい。いやしかし、その上でのこの読後の爽快感は一体。一見の価値有りだ。2015/03/12
KAZOO
19
ランズデールという作家は初めてです。ミステリーかと思いきや、まるっきり違うホラー系なのですね。表題作や結構私にはまる感じの短篇小説が多い感じです。テキサスのキングといわれるのもわかるような気がします。長編もあるようですので、少しかじってみようかとも思います。2014/04/17
すけきよ
18
ついに本命が来ましたよ! 変な話好きとしては必読短篇集だなぁ。イロモノ度合いが強く、同時に単なるイロモノで終わらない。田舎町で、ダメな人が、ダメなりの努力をして、ダメなカタルシスを得る。けっしてダメな状況を抜け出すわけではないんだけど、ある種の達成感があり、そこに感動と悲哀を覚えてしまう。お気に入りは、「ステッピン・アウト、一九六八年の夏」「ハーレクィン・ロマンスに挟まっていたヌード・ピンナップ」「審判の日」「恐竜ボブ、ディズニーランドに行く」「ゴジラの十二工程矯正プログラム」「ババ・ホ・テップ」2009/09/25
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