内容説明
ヨークシャーの片田舎で、首を斧で切り落とされた農夫の死体が発見された。そばには自分がやったと呟く娘の姿が…だが、彼女は心を堅く閉ざしてしまう。捜査にスコットランド・ヤードからリンリー警部とハヴァーズ巡査部長が派遺された。二人が人間関係の闇の奥に見た戦慄の真相とは?アガサ賞、アンソニー賞、フランス推理小説大賞を受賞したミステリ界の新女王の話題作。改訳決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
82
リンリー警部シリーズ第1弾〔再読〕。本シリーズは1作ごと英国の1地方を舞台に、風景や人々の生活が見事に描かれる。登場人物は多いが、1人1人のキャラが確立されており、連続ドラマの様にその成長や移り変わりが楽しい。トリックを論理的に謎を解き、驚きたい読者向きの作品ではない。人間や社会の問題に、個性豊かな仲間達が立ち向かい織り成す人間模様、そこから導き出される驚愕の真相。女性だからこそ本テーマに取り組めたのだろう、その勇気には頭が下がる。それだけ深刻な問題なのだ、女性ファンから圧倒的な支持が在るのも頷ける。 2018/11/16
ω
50
凄い面白かった (´;ω;`)!かつてとても人気だった作家さんとのこと。60歳のおんじに「一番好きな本」と教えて貰った。悲しいミステリーがお好きな方はぜひぜひ。中古しか手に入りませんが🥺 (改題前は「そしてボビーは死んだ」です)2022/08/19
bapaksejahtera
14
五百頁の大作を放棄せずに兎も角読み切った図書館本。出版社が替る前の別題の翻訳本を退蔵していた。シリーズを引継いだ早川は遡って初作を翻訳し直したのだが、その価値には疑問を感じた。爵位を持つ警視庁の警部が、その出自に赤羅様な反発を示す女性刑事と組み、地方で起こった首切り殺人事件の捜査に当たる。細かな登場人物表に載らぬ人物にも克明な叙述を与える一方、シリーズ第一作乍ら主人公を巡る重要な過去のエピソードを小出しにする作風は如何か。後半一気に心理学者の手で明らかにされる悍しい真相。女性作家の手になる所が驚きだった。2024/12/10
よっちゃん
2
初読みの作家さん。登場人物も多く長い時間がかかった。読破できた充実感はある。最後まで真相に近づけなかった。とにかく長かった。2015/08/23
妖湖
2
たぶん再読。結婚式にパヴァーズが呼びに来たあたりは何となく記憶に残っている。でもパヴァーズと両親の確執は忘れていた。話の本筋は全く覚えていなかった。暗い話だが、最後の母娘の再会は救いなのだろう。2015/03/04