ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 女の顔を覆え

ハヤカワ・ミステリ文庫
女の顔を覆え

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150766061
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

285
読了に時間を要した。というのは、物語の冒頭にたくさんの人物が一挙に登場する上に、個々の人物のイメージを掴むのと、彼等相互の関係性の把握に途惑ったからだ。プロットの中核はマナーハウスでの殺人事件なのだが、P・D・ジェイムズは、関係する人物像を実に克明に描いてゆく。よく言えば、これが単純なミステリーなどではなく、重厚な奥行きを持ったイギリス小説としての風格を持つということなのだろう。ただし、見方を変えれば、冗長であるとの感もまた否めない。また、精密に積み上げていった揚句の結末は意外にもあっけないとも言える。2016/07/02

遥かなる想い

179
P.D.ジェイムズの処女作である。 英国の伝統的な探偵小説であり、読んでいると 安心できるのが、心地よい。 メイドのサリーをめぐる人間関係が、徐々に 明らかになっていく様は なぜか 懐かしい気がする 展開だった。2017/08/07

ケイ

114
人物表に指を挟んだままの読書だったなあと言うくらい、人についての描写が多かった。シリーズ第1作だからだろうか。ダルグリッシュ警部が、とても渋くて魅力的。ページが残り少なくなっても、なかなか解決しないなあと思っていたら…、少しあっけなかったかなあ。シリーズが気になって調べてみたら、この第1作が1960年代。最後のシリーズが2004年とは、なんと40年にも渡って…と驚いた。2016/09/21

新地学@児童書病発動中

110
20世紀の英国のミステリを代表する作家P・D・ジェイムズの第一作。マクシー家で起こったメイド殺人の謎に、ダルグリッシュ主任警視がのぞむ。第一作とは思えない素晴らしい出来栄えで、英国らしい重厚なミステリを堪能した。登場人物一人一人を丹念に描いていくのがジェイムズの特長で、どの登場人物にも圧倒的な存在感がある。一人の人間が持つ影の部分を書くのが特に巧みで、人間の感情のもつれによって、殺人が起こると言うプロットには説得力があった。結末で明かされる犯人は意外な人物で、殺人の動機は哀しいものだった。2015/07/11

まふ

106
著者のデヴュー作とのことで期待したが…。彼女の特徴はミステリ―を超えた心理描写にある、と言われており(?)、この処女作でもそれが現れていて話がなかなか進まない。むしろ彼女の特徴(問題点)とされる冗長さが前面に出てきて私としては若干いらいらしながら読んだ。他の作品にも言えると思うが、この作者の物語の仕掛けは単純であり、今回もこれを無理やり引き延ばした、と言っても差し支えなかろうと思う。その意味でも彼女らしい作品であった。G658/1000。2024/12/02

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