出版社内容情報
新型コロナによる死者が100万人を超えた米
国。ウイルス発生初期、後の危機を予感した
人々がいた。彼らの苦闘はなぜ挫かれたのか
内容説明
死者100万人。アメリカは世界最大の「コロナ敗戦国」となったが、実はウイルス発生初期、パンデミックを予感した人々がいた。熱烈な関心と豊富な知識を併せ持つ感染症おたく、SARSの発見に貢献した天才研究者、ソーシャル・ディスタンスの徹底を理論化した医師―型破りの異才が結成した「ウルヴァリンズ」の苦闘はなぜ挫折したのか?綿密な取材と巧みな構成で失敗の本質を描く、世界的ベストセラー。
目次
第1部(グラス越しの景色;ドラゴン;保健衛生官の誕生;パンデミックを憂える人;止められないものを止める;千里眼)
第2部(赤電話;アマチュア疫学者;マン渓谷にて;L6)
第3部(システムのバグ;偽りの花壇;不作為の罪)
著者等紹介
ルイス,マイケル[ルイス,マイケル] [Lewis,Michael]
1960年ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。プリンストン大学で美術史の学士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学の修士号を取得後、ソロモン・ブラザーズに入社。債権セールスマンとしての3年間の経験を基に執筆した『ライアーズ・ポーカー』で作家デビュー
中山宥[ナカヤマユウ]
翻訳家。1964年生(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
8
ブッシュJrからオバマ政権までのホワイトハウスには感染症対策を研究するチームが存在しソーシャルディスタンスや学校の閉鎖を併用することなど未知のウィルスへの対策プランが存在していたがトランプ政権はこの組織を無用として解体していた。米国疾病対策センターは問題を起こさないことを第一にした官僚組織になっており対策を取らない。そんな中で早期に問題を察知した『ウルヴァリンズ』たちを主人公に米国のコロナ対策の失敗を追っていく。大変勉強になるし、読み物としても巨災対が失敗したシンゴジラのようなサスペンスで興味深く読める。2023/07/21
hiyu
4
いわゆる新型コロナウイルスに対する米国での実情。こうしてみると特に現在社会は、結構ギリギリの状況でとどまっていて、それが新型コロナウイルスで破壊されてしまったのかなという印象。とはいえ特に流行当初は怖くて仕方がなかった。最善策の処方箋はないが故、それでも目の前のことに集中し、できる限りの感染対策をそれぞれの立場でより冷静になり行っていた方が大多数ではないかとも思う。しかし、声高々に半ば不安を煽るような人がいたのも否定できない。とっちが優れていてというものではないのかな。人の集まりの故。2024/02/10
artillery203
3
アメリカにおける新型コロナ初期対応を追ったドキュメント。目に見えない脅威に対して鈍感な権力者と追従する組織。志ある有志は対処しようと動くも権力が動かないため遅々として進まない。今の視点で読むとハラハラドキドキできるが、コロナ進行中の当事者からしたらたまったものではないだろう。 最悪の事態を想定し対応を定めることも重要だし、最悪の事態の兆候が現れた時に、人々が甘くみている中でも果断に大規模な決定ができるか。これが重大だ。2024/03/23
Kinya
1
古人曰く「是故君子安而不忘危。存而不忘亡。治而不忘乱。是以身安、而国家可保也」2023/03/27
深海(ふかかい)
0
半分弱で挫折。2024/12/28