ハヤカワ文庫ＮＦ ハヤカワ・ノンフィクション文庫 ヒトラーのオリンピックに挑め―若者たちがボートに託した夢〈上〉

ブラウン，ダニエル・ジェイムズ【著】〈Ｂｒｏｗｎ，Ｄａｎｉｅｌ Ｊａｍｅｓ〉/森内 薫【訳】

早川書房（2016/07発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 368p／高さ 16cm
• 商品コード 9784150504700
• NDC分類 785.5
• Cコード C0198

出版社内容情報

1936年、ナチス政権下のドイツで開催されたベルリン・オリンピック。ボート競技に人生を賭けるアメリカ人青年たちは、厳しい練習を重ね勝利への道を突き進む。解説／黒木亮

ダニエル・ジェイムズ・ブラウン［ブラウン ダニエル ジェイムズ］

森内　薫［モリウチ カオル］

内容説明

１９３０年代、大恐慌時代のアメリカ西部。ジョー・ランツはワシントン大学に進みボート部に入る。上流階級のスポーツであるボートだが、部員の多くは労働者階級。ジョーは彼らとレギュラーの座を争い練習漬けの毎日を送る。部員たちの最終目標はベルリン五輪。それはナチス政権下で行なわれようとしていた―“ニューヨーク・タイムズ”Ｎｏ．１ベストセラーに輝く真実の物語。

目次

第１部　彼らが通り過ぎてきた季節　一八九九年‐一九三三年（すべてのはじまり。一九三三年、シアトル；ジョー・ランツの幼年時代；イギリスから来たボート職人；捨てられた一五歳；初めての競技ボート）
第２部　打たれ強く　一九三四年（心はボートの中に！；全米チャンピオン；新しいコーチ）
第３部　ほんとうに大切なこと　一九三五年（熾烈な争い；スランプ）

著者等紹介

ブラウン，ダニエル・ジェイムズ［ブラウン，ダニエルジェイムズ］ ［Ｂｒｏｗｎ，Ｄａｎｉｅｌ　Ｊａｍｅｓ］
サンフランシスコで育ち、ディアブロ・ヴァレー・カレッジ、ＵＣバークレー校、同大学ロサンゼルス校に学ぶ。サンノゼ州立大学、スタンフォード大学で教鞭を執ったのち、ノンフィクションライターに。『ヒトラーのオリンピックに挑め―若者たちがボートに託した夢』は“ニューヨーク・タイムズ”のＮｏ．１ベストセラーになり２２０万部を超える売り上げを記録。全米書店協会インディーズ・チョイス・アダルト・ノンフィクション・ブック・オブ・ザ・イヤーほか受賞も多く、映画化が決定している

森内薫［モリウチカオル］
上智大学外国語学部フランス語学科卒、翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[はたっぴ]

日本のメダルラッシュに感激し、“オリンピック”の文字に惹かれて手に取った。大恐慌時代のアメリカ西部を舞台に、主人公ジョー・ランツの出生から、ワシントン大学ボート部のオリンピック出場への軌跡を辿るノンフィクション。年老いたジョーを訪ねるプロローグより一足飛びで時代が遡り、記録映画を鑑賞しているような躍動感溢れる筆致にのめり込んでしまった。ジョーの余りにも不遇な生い立ちに始まり、強靭な精神と肉体が培われた過酷な人生に涙した。トラウマを抱えた孤独なジョーがチームワークを求められるボート競技で何を掴むのか？下巻へ

2016/08/20

[naoっぴ]

ボート競技に馴染みはなかったが、これほど緻密でチームワークのいるスポーツだったとは。すべてのオールの力の向きがぴたりと合わさったとき、滑るような奇跡のパワーが生じる。１艇のボートがひとつの生きものになる。その神業を目指し、強靭な精神力と卓越した肉体でチームワークを極めていく。上巻はジョーの苦難の生い立ちと、ワシントン大学チームの紆余曲折、一方でナチスの成長と不穏な情勢が描かれる。ジョーと両親との確執の理由が伝わり辛い部分はあるが、アメリカの熱狂とボート競技の臨場感にどんどん引き込まれた。下巻へ。

2020/07/20

[akio]

せめてパラリンピックが終わるまでには読み終えたかった…(涙)けれど中身は大当たりです！ノンフィクションですが、純粋に読み物として心揺さぶられます。苦難に満ちた生い立ちゆえに心に傷をもった少年ジョーが、ボート競技と向き合うことでどう成長するのか目が離せません。義母やら実父には激しく憤りを感じつつも、かっこいい大人になるんだ、ジョー！と心の拳を握りながら下巻に突入です。読めばボート競技の奥深さに唸ること間違いありません☆

2016/09/21

[ラムネ]

ボートは過酷な競技だ。 全身の筋力が必要なだけでなく、8人の漕ぎ手が、 体と技、心までをそろえストロークしなくてはいけない。 8人の動作がぴったり重なることを、”スウィング”というそうだ。 そうなれば、少ない力でボートを進ませることが出来る。 小さな文字がぎっしりと埋まった文庫、最初は気後れがした。 でも途中から”スウィング”のような状態でぐいぐい引き込まれた。 面白い！

2018/03/27

[y.miyazaki]

青年よ、置かれた環境に悲観してはいけない。 人生の何かを変えたくて学業とボートに挑む。昔も今も若くても凄い奴はスゴイね 私が住む琵琶湖、湖南はボートの練習をよく見かけます。 今度ゆっくり眺めようっと！

2016/09/06