内容説明
質的研究をおこなう者にとって必須のツールとなりつつあるQDAソフトウェアの活用法を大公開。文字データを体系的に整理して「意味の世界」を掘り起こし論文としてまとめていくための技法の実際を解説。
目次
第1章 質的データとは何か?
第2章 質的データ分析の基本原理―紙媒体篇
第3章 質的データ分析の基本原理―電子媒体篇
第4章 質的研究の特質とQDAソフト
第5章 プロジェクトファイルの作成と文書のインポート(取り込み)
第6章 予備的分析
第7章 コーディングと概念モデルの構築
第8章 コード付セグメントの検索とさまざまなタイプの比較分析
第9章 分析メモの作成とストーリー化
第10章 「データ密着型理論」としてのグラウンデッド・セオリー
著者等紹介
佐藤郁哉[サトウイクヤ]
1955年宮城県に生まれる。1977年東京大学文学部心理学科卒業。1984年東北大学大学院博士課程中退(心理学専攻)。1986年シカゴ大学大学院修了(Ph.D.)(社会学専攻)。2000年‐2001年プリンストン大学社会学部客員研究員。現在、一橋大学大学院商学研究科教授。専攻は文化社会学、質的調査方法論。著書に『暴走族のエスノグラフィ―モードの叛乱と文化の呪縛』(新曜社)(1987年度国際交通安全学会賞受賞)、『現代演劇のフィールドワーク』(東京大学出版会)(AICT賞・第43回日経経済図書文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かわうち
1
質的データ分析の一連の流れは、セグメント化、データベース化、ストーリー化という3つの局面に分けて考えることができる。質的データ分析における最も重要なポイントの1つは、具体と抽象、特殊と一般のあいだの往復運動を何度となく繰り返していくことを通して、具体的なデータにしっかりと根をおろしながらも、他方で理論的な概念モデルの洗練をはかっていくところにある。データから理論へ、理論からデータへという往復運動が何度となく繰り返されるのである。現場での経験等を踏まえた上でそれを先行研究等と丹念に突き合わせる必要がある2025/04/02
タケヒロ
0
この本は、質的データをより秩序立って量的データと同じくらい説得力ある分析にするかの見地に立っています。この方法でいろいろなテーマに沿ってすぐれた分析が可能になり、今まで素人だった人優れた書物を執筆することが期待できます。質的データ分析を量的データ分析の地位にまで高めようという意欲が著者に感じられます。ただ、あまりにも同じ意味の文章を冗長に繰り返している為、うんざりする事があるのは否めません。ボリューム的にはもっと少なくできる筈なのですが、逆にボリュームを多くしたい場合は著者の書き方は使えますよ!2012/10/12
遠山太郎
0
数以外が質的データ。情報の電子化は、紙が電子のお湯をぶっかけて自由な水のようになったこと。 <分析の流れ>・セグメント化・データベース化・ストーリー化 <ストーリーラインの構築>・管理・コーディング・概念モデルの構築・複数の文書セグメントの抽出 <グランデッドセオリー>・定性的コーディング・継続的比較法・理論的メモ 理論的飽和まで⇔統計的はすべてのサンプル 体験版あり ATLAS.ti MAXqda index.php 2012/05/20
いとう
0
定性データ分析入門 QDAソフトウェア・マニュアルから発展して、質的データ分析とは何ぞやを説明。『定性データ』から『質的データ』に変わった2021/07/14