内容説明
数ある名作童話の中でも、「赤ずきん」ほど、世界中の人々に愛され続けている物語も珍しい。しかし、民間伝承の物語から始まり、フランス人のペロー、ドイツ人のティーク、グリムと、いくつもの「赤ずきん」が書き継がれてきたことは、実はあまり知られていない。時代とともにさまざまな表情を見せる「赤ずきん」について、それぞれの物語を紹介しながら、その尽きせぬ魅力の現代的意味を分析してゆく斬新なメルヒェン論。
目次
1‐1 愛くるしい「赤ずきん」のいる風景
1‐2 ペローからティークへ
1‐3 「赤ずきん」の周辺
1‐4 ベヒシュタインの「赤ずきん」
1‐5 狼の観念的世界
2‐1 愛くるしさの解放
2‐2 「赤ずきん」を考察する
3 パロディ「赤ずきん」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
3
メルヒェン論でシュトゥルムウントドランクまで出てくるとは予想してなかった。「メルヒェンてこんなにぐろいんやでー」「えろいんやでー」だけで終わる本はつまんないけど、がっつりした専門書まではいかない読み口でこれくらい見せててくれてると、ありがたい。解説でもあげてあるけど、「残酷な中世の名残を止めていたぺローよりも、グリム兄弟の生きた時代は、希望に満ちた近代化の時代であった。兄弟たちは、単なる「寓話」にすぎなかった作品を、主人公の復活によって、一段と高いレベルへと進めたのである。」なるほど。2015/05/05
ryuetto
2
評価★★★★2002/02/21
代理
1
フランス語の『狼を見た』という慣用句は『純血を失った』とう意味2020/08/30
丰
0
19961015
マニコ
0
読み直し2008/03/03