出版社内容情報
マネーロンダリングを内偵中のMI6局員がロンドンで殺された。依頼を受けた外人部隊元兵士は、ロシア最深部の刑務所に潜入する
内容説明
土曜の朝、ロンドン金融街の銀行役員カーターが襲撃され、拉致された。わずか27秒の犯行だった。ただちに捜査が開始されたが、手掛かりはいっさいない。事態を憂慮したMI6高官は、凄腕の傭兵でカーターの友人でもある“イングリッシュマン”ダン・ラグランを急遽フランスから呼び寄せる。犯人を追ってロンドン中を駆けるラグラン。そして舞台は、極寒のロシア最深部へ…。ノンストップ・アクション・スリラー登場!
著者等紹介
ギルマン,デイヴィッド[ギルマン,デイヴィッド] [Gilman,David]
イングランドとウェールズで育ち、消防士、カメラマン、空挺連隊の兵士など、さまざまな職を経た後、1986年に作家デビュー。YA向けのアクションスリラーDanger Zone(2007~2009)三部作は各国で称賛され、英国カーネギー賞の候補にもなった。本書『イングリッシュマン』は、2020年に刊行され、英国“フィナンシャル・タイムズ”の年間ベスト・スリラー小説に選出された
黒木章人[クロキフミヒト]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃお
26
元フランス外国人部隊のダン・ラグランは、MI6に呼び出され何者かに誘われた旧友のカーターを行方を追う。銀行員のカーターが何故襲われたのかなど、謎というほどの謎は無いけれど、子気味良いアクションの連続でグイグイ読ませます。一匹狼のように見えて仲間であるレジオンの絆や友情の強さが印象的で、意外に陽気なキャラクターで嫌味が無いのが逆に傷か(笑)。伝説的に強い訳では無い様子も人間味あります。個人的には刑務所のくだりをもっと読みたかったかも。あと、ラグランに好意を寄せるアビーがやはり印象的だったなぁ。続編も期待!2023/08/30
stobe1904
23
【アクション全開のスリラー】元フランス外国人部隊出身のラグランの友人で銀行役員のカーターがロンドンで誘拐され、MI6はラグランに事件解決の依頼をするが…。西アフリカのマリ、ロンドン、ロシアと舞台を変え、緩急のメリハリをつけながら小気味良いアクションの連続でぐいぐい読者を引っ張っていく。楽しみな作家なので、翻訳が続くことを期待。★★★★☆2023/07/19
わたなべよしお
22
まあまあ、ですかね。思っていたよりは面白かったかな。何かなぁ、ストーリー展開のテンポ?う~ん。人物造形はイマイチ深みがないなぁ。まぁ、元軍人の一匹オオカミと言うなら結構あるし、これを読むならリーチャー・シリーズ(最新翻訳は一匹ではないですが)の方がずっと良い。それでも次作が出たら読むかもしれないので、見極めは次を読んでからということですかな。2023/08/28
まぶぜたろう
16
裏表紙に「ノンストップアクション」とあるが全くの嘘、緩い見せ場がポツポツとある、むしろ古いタイプの冒険小説であった。だから結構、冗長で、グルーニーを期待して当てが外れたのだが、これがそう悪くない。心優しきヒーローは魅力的だし、スパイものらしき、もっともらしさもいい。そしてクライマックスのロシア編でいきなりノワールに転じるのが面白く、かつ変で、今どき珍しい迂回と停滞を楽しんだ。とはいえ次作を読むかどうかは微妙っす。(○○◯●●)ちなみに訳者あとがきは物語の大半を明かしてるんで、読後、読むことをおすすめする。2023/08/30
Katsuto Yoshinaga
14
「誰かがやらなきゃならなかった」とフリーランサー(傭兵)ダン・ラグランが語る冒険行は、フランス外国人部隊(レジオン)退役の因となった西アフリカでの軍事行動から、メインストリームとなるロンドンでのドンパチ、そしてロシアの刑務所潜入と、冒険小説の王道を行くような構成とリーダビリティで、とにかく読まされる。ラグランの造形もさることながら、素晴らしき元傭兵仲間、MI6高官マグワイア、ヒロイン的役どころのアビーといった脇の造形がイイ。そして、敵役であるJDのクズっぷりが何よりイイ。(コメに続く)2023/12/15