内容説明
「あんただ！あんたがそうだ！」浮浪者の薄汚れた手がアラン医師の手を握った。たちまちアランは高圧電流にも似たショックを身体中に感じた。アランが奇跡の人になったのは、その時からだった―触れるだけでいかなる不治の病も治療できるようになったのだ！やがて彼の不思議な治療を受けようと、難病を患う人々が各地から大挙してアランの診療所に押しかけてきた。だが、この奇跡の力にはひとつ問題があった。おかげで、病人たちの間にパニックが生じるが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
31
★★★★☆ 初読。熱意ある医者のアランは、力及ばずに亡くなったり治療出来ない患者達に心を痛めていた。死ぬ間際の浮浪者に手を掴まれて衝撃を感じて以来、不思議な力を身に宿したことに気付くが…。 冷え切った仲の妻・公聴会で法案に反対されて恨みを持つ上院議員・養子の自閉症の症状悪化に悩む女性と忠実な召使いなど登場人物が出揃い、展開が楽しみ。奇跡の力には対価が必要らしく、悲劇の予感がします。アラン、馬鹿正直すぎるよね。「触手」っていうから、てっきりウネウネしたアレかと思っちゃったけど、「触る手」なのね。2024/04/11
そら
9
触れるだけでいかなる不治の病も治療できるようになったアラン医師のは、その代償に様々なものを失っていく。 徐々に記憶が曖昧になっていくし、家族や職を失うし、下巻ではどうなっていくのか？ いろいろな謎は終息するのか？ 下巻が楽しみ。2014/09/03
けいちゃっぷ
5
ひょんなことから奇蹟の力を手に入れた医師アラン。彼はどうするのかどうなるのか。３１０ページ2011/03/20
Tkg5
3
圧倒的な面白さ。キャラクターもストーリー上手いなぁ。触れるだけで病を治す力を得てしまった医者の苦難。グリーンマイルとは違うけど、こちらもホラーだし、似通ったものがある。やっぱり根底にあるのはトワイライトゾーンなのかなぁ。モンキーポウの言及もあったし。ロマンスとかエンタメ性はキングよりクーンツに似てるかな。2020/06/10
アイゼナハ@灯れ松明の火
3
患者との触れ合いを大切にする真面目な医者が得た、原因不明の「全てを癒す力」。それは神の恩寵か、それとも悪魔の悪戯か？「ナイトワールド」の前日譚として読み始めましたが、それを脇に置いておいても相当面白いです。さっそく下巻へ。2010/02/27
