出版社内容情報
203X年3月、JAXA公募幹部として航空自衛隊宇宙作戦群に所属する加瀬修造三等空尉は、衛星とデブリの異常機動を観測する――
内容説明
203X年3月、航空宇宙自衛隊宇宙作戦群第四宇宙作戦隊の観測班長である加瀬修造は、地球軌道上の機能停止衛星やデブリの異常な機動を観測する。それはナノサイズのブラックホールがかすめたとしか考えられない現象だった。宇宙作戦群本部の宮本未生群司令官補佐は、内閣危機管理室直属の機関である国立地域文化総合研究所(NIRC)の大沼博子に密かに情報を流す。だが世界各地ではすでに不穏な事態が進行しつつあった。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。ミリタリーSFシリーズ“星系出雲の兵站”で、第41回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
108
林SFは数巻の長編が前提のためか、ストーリーの進行が極めてスローペースだ。本書も全体の総序章といった位置付けで、未知の侵略者に対する自衛隊や科学機関の設定や対応、登場キャラと技術の紹介に費やされる。これらの組織が次巻以降に活躍するのだろうが、組織の政治的動きや内部抗争が延々描かれるのはもどかしい。昔の作家なら、謎の存在に拉致された若者だけでドラマを仕立てただろう。著者もわかっているのか、繰り返し提示されるのが人手不足とAIの問題だ。少子高齢化とシンギュラリティが地球防衛に与える影響こそ影のテーマなのかも。2024/03/23
fukumasagami
20
203X年、異文明との接触が起こるも、技術力の差もさることながら、組織力や情報処理でモタつく人類。2024/02/16
てぃと
4
これは面白い!!いわゆるファースト・コンタクト部類のストーリーですが、2030年代の近未来が舞台だけにとてもリアルに感じます。本巻はまだまだ序章といったところですが、相手となる知性体が何なのかさえ判らず大変不気味。人類がどう立ち向かうのか、次なる展開が大いに楽しみです。2024/03/28
黒猫堂▽・w・▽
4
異質な知性とのファーストコンタクト。異質な知性がもたらす個人的な悲劇を淡白に感じるほどあっさりと描き人類社会全体にとってみれば大きなダメージではないと言い切る人物が登場するところに「情」で描くのではなく「理」で描く林SFらしさを感じた2024/02/25
nonbiri nonta
3
宇宙ごみや廃衛星が特定の軌道に集められるとともに接近する小惑星。地上では謎のロボット?が活動する。果たして彼ら?の意図は。 近未来の異文明との接触がテーマのSFだが、この近未来は当たり前だが現在の延長上にあるので、少子化とか就職氷河期の影響で自衛隊はじめあらゆる分野で人材が不足しているという状況でこんな中で果たして人類はどのように異文明に対抗していくのか。 物語まだまだ序盤。この先続くストーリーが楽しみです。2024/04/12