出版社内容情報
帝国内での影響力を強める謎の存在・オリオ
ン太郎。それに対し、満洲に現れたオリオン
花子の思惑とは? 事態は風雲急を告げる。
内容説明
地球外の存在であるというオリオン集団は、未知の四発爆撃機によりドイツ・イギリスの戦艦、戦闘機群を撃破する。その目的は地球侵略なのか?対話を試みる天文学者の秋津に対し、オリオン太郎は日本国内での大使館開設を要求する。一方、日本海軍に協力する元禄通商の猪狩周一は、ドイツ国防軍情報部カナリス部長の密命をおびて帰国途上、謎の空中戦艦に拉致される―架空戦記+ファーストコンタクトのシリーズ第2弾。
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年北海道生まれ。臨床検査技師を経て、1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。ミリタリーSFシリーズ“星系出雲の兵站”(ハヤカワ文庫JA)で、第41回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
68
1巻はトンデモ事件が相次ぐジェットコースターだったが、2巻は地球外存在という異常事態を把握した各国の政治・軍事・外交上の思惑がメーンとなる。同じ国でも地位や立場によってメンツや利益が異なり、ドイツではナチスと反ナチ、日本では陸軍と海軍、ソ連ではモロトフとベリヤの対立と権力闘争が蠢き始めた。次はアメリカと中国か。作者は『星系出雲』シリーズでミリタリー以外の側面も含めた組織のドラマを描いたが、今作では現場で戦う軍人たちが出てこない。彼我の技術力が隔絶した世界で、彼らの出番をどうするつもりなのかが今後のカギか。2021/05/30
Koning
44
ファーストコンタクト仮想戦記シリーズの第2巻。宇宙人?の意図が解らぬ。から、概念だのの違いが浮き彫りになってきた。それと同時に世界大戦前夜の危なっかしい世界情勢をどうにかせねばの動きが楽しい。ガジェットもSF的宇宙のものに加えて国産の超絶ハイテクガジェットが産み出される(宇宙人の持ってきた物からインスパイアされたわけ2021/04/27
宇宙猫
25
★★★★ 大使館がなかなか開設できないので、オリオンズが独自に動く。相変わらず彼らの正体や目的はよくわからない。戦時下だから各国とも政治と軍の思惑が入り乱れ、どう展開していくのかが楽しみ。"HELLO WORLD"にニヤリとした。2022/09/29
鐵太郎
24
会話はできるけどコミュニケーションができない、同じ言語を話していても意思疎通ができない相手──これは「星雲出雲シリーズ」のガイナスだな。「私たちが地球を植民地にするメリットが何かあるのですか」といわれたら、あの時代の軍人たちとしては目を白黒させるしかないよね。とはいえ一番面白かったのは、本文の最後で某共産党幹部が叫ぶ見事なまでの根拠のない我田引水プロパガンダですよ。危うく本気で言っていると思っちゃったじゃないか。(はて?w)2021/09/25
ikedama99
23
少しずつ見えるかと思いきや、また新しい人なり組織も出てきて、収束するのかと思ってしまう。「オリオン太郎」は少しずつ正体を見せているのかもしれないが、彼の人間に似た外観がそれを正しく認識させていないのではとも思う。人間、「見た目」にだまされるのかな・・とも。それと、「正義と真実の人 桑原茂一」・・には笑った。「スネークマンショー」・・だよね。これって。2022/07/29