内容説明
2013年春、転生し続ける女、国枝小霧の結婚式に届いた一通の祝辞が、物語の真実を語り出す―。未来から来た少年・保彦を救うため、中学二年の美雪が時を超えた1992年夏『リライト』。予知能力を持つ千秋霞が、息子が死ぬ未来を変えた1992年秋『リビジョン』。タイムパトロールの少女・ホタルが、ある書籍を持った少年と邂逅した1997年冬『リアクト』。すべての出来事は、この完璧な春のために…四季を巡る物語、完結篇。
著者等紹介
法条遥[ホウジョウハルカ]
1982年静岡県生まれ。2010年、第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作『バイロケーション』(『同時両所存在に見るゾンビ的哲学考』改題)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だんじろー
91
4部作、読了。この達成感は半端ない。ゴールまで確かに時間はかかったけれど、一気読みしても恐らく理解度は大差ない。「あったことをなかったことにはできない」このフレーズがすべてを物語っていると言っても過言ではない。この壮大な物語を紡いだ作者には、驚きを感じずにはいられない。…なぜかレビューが韻を踏んでしまったよ。2016/09/01
みっちゃん
87
よ、読んだどお〜っ!のシリーズ完結編。表紙を飾るウェディング姿の小霧は転生を繰り返す女。彼女の結婚式であの人物が読み上げるスピーチがそのまま、この世界を解き明かす解答。文章を追ってる時は「そうなんだ!」「なるほど!」と頷いてたけど、やっぱりよくわかってないらしい、私。ええい、ややこしすぎるわ!でも、自分の稚拙な脳をパンパンにしながら、わくわくしながら読んでたのは、紛れもない事実ではある。折り込みのイラストが本当に素晴らしい!2015/04/02
おかむー
79
読んだほとんどのひとが言っているとおり、4部作をまとめて読んでよく咀嚼しないと「なんかごちゃごちゃわかりづらい説明が延々続いたあげくまとまったらしい」にしかならない困った作品。『もっとがんばりましょう』。今作の主人公・小霧の絶望と諦め、保彦の背負った罪と執念が、長々とした説明のなかで箇条書きにしかされていないので痛切に響いてこない。結局シリーズの最終作として全てを繋げる理由と仕掛けを詰め込んだだけという感触しか残らないんだなぁ。身勝手極まりない登場人物の開き直りも相変わらずの作者でしたとさ。2015/03/31
まりも
50
リライトから始まったシリーズの4冊目にして完結巻。転生を繰り返してきた小霧の披露宴でこれまでの全てが明らかにされていく話。前3作を読んだのが比較的最近だったので大体は理解する事が出来ました。まぁ、それでも7割位でこれを全て理解するにはシリーズ全体を何度も再読しないと無理そうですね。何だか分からないけど、とにかくスゴイ。シリーズ全体を通しての感想はそんな感じでしょうか。正直1冊目と比べると数段落ちますが面白かったです。2015/03/26
とも
46
★★★★☆Reシリーズ最終巻です。きっちりと収束しました。ただ、非常に難解な作品で ところどころ不明確な部分もあり、前3冊をひっくり返し読み返してで相当苦労しましたが、それでもまだ理解できていないところがたくさんありますが。面白いかどうかと問われれば、間違いなく面白い作品です、ただ根気はいりますが。シリーズは完全に繋がってはいますが、1冊ごとに主人公も異なり雰囲気も変わるので、そういった意味でダレることは全くありませんので、SF なかでも時間系SFを好まれる方なら、間違いない1冊です。2017/11/04