出版社内容情報
辻堂ゆめ氏 絶賛!
「私はこの作品に、《本格ミステリの向こうにある何か》を見出していた」
波多野千真の前に現れたのは、亡き恋人と瓜二つの顔と声で、同じ名前《夕海》を名乗る少女。
記憶がないという彼女を保護した千真だが、仕事で立ち寄った家で、またも不可解な事件に巻き込まれる。
それは密室殺人。
被害者は恩師の亡き妻とそっくりな女性で……。
自分は一体、何に巻き込まれているのか? 世界が反転するミステリ。
解説/辻堂ゆめ
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiᵕ̈
2
中々にぶっ飛んだ仕掛けが張り巡らされていて、意味深なプロローグからエピローグへの繋がりがお見事。大学生の千真は、亡くなったはずの恋人と瓜二つで名前も一緒の少女・夕海と出会い、生活を共にするところから始まり、宅配業務をしている中で、中学時代の部活の顧問と再会したがその家で密室殺人があり、これまた不可思議な事を目の当たりにしながら真相を追っていく。コロナや災害の暗澹とした描写と対比した千真と夕海の関係が微笑ましくもある。フィクションとして見て総じた読後はスッキリ。2025/08/27
c3pomotohonzuki
0
変わってしまった日常の中で出会った、失ったはずの恋人と同じ顔の少女。 直後に起きた、密室殺人の被害者も家主の亡き妻と同じ顔で。 不穏な出来事に隠れた歪んだ日常。 喪失を抱え灰色の日常が色を取り戻す話だった。 「私が死んでも、私のことを忘れないでいてくれますか?」2025/08/23