出版社内容情報
今もっとも注目すべき作家の最新短篇集『天地明察』の原型短篇「日本改暦事情」、ある作家の一夜を描く異色の表題作等を収録
内容説明
『天地明察』の原型短篇「日本改暦事情」、親から子どもへの普遍的な愛情をSF設定の中で描いた「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」、著者自身を思わせる作家の一夜を疾走感溢れる筆致でつづる異色の表題作など、全7篇を収録。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』でスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞受賞。マンガ原作やアニメ脚本も手がけ、ジャンルを越境して活躍。2009年、初めての時代小説『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルティ
145
短編集で色んなジャンルが入っているが全体的にホラーテイストで怖い。お化け屋敷みたい。1つ時代物があり「天地明察」の原型となるもので、目標を持って生きていく事の大切さが伝わるいい話。冲方さんはラノベ、SF、時代物、アニメ制作など幅広く挑戦していて他作品も読んでみたい。「「間違えても良いんですよ。それが学ぶってことです。沢山の間違いをしなけりゃ人は学べませんから。あたしにしてみればね、歳を取ってから自分はこれまでなんの間違いも犯さなかったなんて言う人ほど信用できません。だって何も学んでないってことですから」」2018/10/24
HIRO1970
134
⭐️⭐️⭐️図書館本。冲方さんの短編集。面白くて止まりませんでした。あの天地明察の短編習作もあってその完成度の高さに驚きました。他の作品も鋭いエッジが感じられる緊張感溢れる文体や様々な新しい表現への挑戦意欲が溢れるような佳作ばかりでした。本作品を手に取ってみて、かなり相性が合うようなのでもう少し深掘りしてみたい作家さんだと感じました。オススメです。2015/02/17
おかむー
60
冲方丁という作家を大まかに把握するにはよいかもしれない短篇集。『もうすこしです』。「天地明察」のパイロット版「日本改暦事情」と「まあこ」「箱」のホラー二篇、SF的ifの「メセトラとプラスチックと太陽の臓器」はシンプルに楽しめた。思春期の著者を投影したかのようにも取れる「スタンド・アウト」、現代的な鬱屈の果てを描いた「デストピア」はその世代以外から見ればかなり痛々しい。表題作「OUT OF CONTROL」は冲方独特の“クラッチ文体”のおかげで内容が入って来ないなぁ。可もあるけど不可もあるといった感触ですね2015/04/07
優希
59
様々なジャンルの作品を読むことができました。ホラー多めで鬱な気分も味わいましたが、『天地明察』の原型が収録されているのは嬉しいところでした。冲方さんの手広い作風には感心するばかりです。2021/10/22
nyanco
58
『天地明察』の原型短篇「日本改暦事情」が読みたくて読み始めました。「スタンド・アウト」は私小説的な作品なのかな・・・、私はちょっとナルな部分についていけない感じが・・・「まあこ」「箱」は、とても意外でした。『天地明察』しか読んでいなかったのでホラーを書かれる方だとは思っていませんでした。が、この2作、特に「箱」気味悪さは、なかなかのモノでした。「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」の世界観も、私は結構気に入りました。これ、長編でも面白いんじゃないかな。続→2012/08/27