内容説明
神に問う―太陽光を浴びると身体が結晶化し、やがて死に至る奇病・キュヴィエ症候群が猛威を振るう近未来の地球。精神技術者の穂村一幾は、今は亡き恋人・螢の双子の兄である水無瀬眞に呼びよせられ、“EGG”なる研究施設を訪れる。そこで彼を待っていたのは、“神”と交信するという黒髪の少女セラだった。一幾はその共感能力を使ってセラと“神”との対話を分析するよう依頼されるが…すべての発端を描く第3巻。
著者等紹介
五代ゆう[ゴダイユウ]
1970年奈良県生まれ。1991年に『はじまりの骨の物語』で第4回ファンタジア長編小説大賞を受賞しデビュー。本格ファンタジィ作品の書き手として知られる一方、近年ではホラー、SFなど活躍の場を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Take@磨穿鉄靴
29
アバチューの3巻。セラについて、ジャンクヤードが生まれた背景など含め時系列がかなり明らかになった。ゲームでは寡黙なサーフがこちらでは嫌なキャラで残念だがヒートは元々こういう人物だったのね。ゲームでは戦闘前に「まとめてミンチにしてやる。」と言っていた(そんな主人公側のキャラいる?)ヒートがねえ。というかこの後どう話を動かしていくのだろうか。アバチューの続編Switchで出ないかなぁ。★★★☆☆2024/06/11
まつじん
16
すんごくSFしてますねぇ。ダークな雰囲気、終末へ向けまっしぐらなトコもいいです。どうやって”オチ”をつけるのか、はたまたつけないのか。来月の5巻発売まで待ちます、4巻は読まずに。2011/09/23
よねはら
15
ゴリゴリのSF設定にちょっとわくわく。量子力学は難しくて詳しいことはさっぱりですが、SF設定としては大好きです。眞の憎悪や劣等感、尋常じゃない外道ぶりを始めとして彼らの顛末が読めて満足です。五代さんも書かれてますが、リアルシエロの話はゲームではモブの発言しかなくて残念だったので…2013/04/22
桜子
15
活字の力がついにゲームを凌駕した!破滅する世界をここまで容赦なく書き切るとは素晴らしい。映像表現にありがちな曖昧さのいっさいを排除した、圧倒的な筆致力。とにかく凄いの一言に尽きる。今年のマイベスト入り決定。2011/06/28
水蓮
11
一幾がかわいそうで仕方がない。シエロの最後のところでは泣きそうになりました。何で大人の都合で素直な良い子がこんな目に合わなくてはいけないのか?と考えてしまいました。眞はいくらデザイナーズ・チャイルドでもやっぱり人間なんだなぁ。喜怒哀楽がしっかりあるんですね。アナベラが憎いけどかわいそうだったなぁ。Ⅲは読んだ後でものすごく気分が重くなりました。しかし後悔はしていません!こう思わせる作家さんってすごいと思います。過去がわかったところで早くⅣを読みたいと思います。2011/10/13