内容説明
5Uという薬を服用し続けなければ、体内から“胃”が逃げ出してしまうという未来社会。5Uの配給によって厳しく管理される日常に倦んだ男は、人間と胃が共生するというユートピアの存在を知る…ハヤカワ・SFコンテスト佳作入選の表題作、エントロピー理論を援用した異色の時間SF「忙殺」ほか5篇に加え、単行本未収録の「落砂」「蔦紅葉」「縛霊」「奇生」の連作4篇を増補した、記念すべきデビュー作品集の再編集版。
著者等紹介
神林長平[カンバヤシチョウヘイ]
1953年新潟県生まれ。1979年、第5回ハヤカワ・SFコンテスト佳作入選作「狐と踊れ」で作家デビュー。第1長篇『あなたの魂に安らぎあれ』以来、独自の世界観をもとに「言葉」「機械」などのテーマを重層的に絡みあわせた作品を多数発表、SFファンの圧倒的な支持を受けている。『敵は海賊・海賊版』、『グッドラック 戦闘妖精・雪風』などの長短篇で、星雲賞を数多く受賞(以上、早川書房刊)。1995年、『言壷』で第16回日本SF大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫伊
17
上手く内容がつかみきれなかった短編が多かったです。話もSFからホラーまでいろいろ。個人的には「創造とは」と問いかけてくる「ダイアショック」がすきでした2016/05/29
miroku
14
胃が痛いという言葉だけで、ここまで想像を飛躍させる能力って、もはや超能力の域では?! 玉石混交ながら、非凡なる作品集と言わざるを得ない!2011/12/04
ちょん
12
SFは読むのが難しくて苦手ジャンルなのですが、この人のお話は比較的分かりやすく読みやすかったです(*^^*) 途中で、あれ?連作なんだっけ?と疑問に思ったりしましたが(笑)この人のSFならまた読みたいなぁ(*´ω`*)2017/11/27
チョモ
12
神林長平の初期短編集。実は神林作品は数冊しか読んだ事が無くて、出来るだけ順を追って読んでみようと手に取った一冊(^^; ビートルズ、胃、手袋 etc。。題材を聞いただけでは想像出来ない物語。堪能致しましたv トリッキーな舞台設定、そして少し馴染み深いキーワード。なるほど、これが神林か。今までに読んだ著書から自分が感じていた印象と通じるモノがあるなあ、と勝手に納得したり( ´△`) 若き日の著者が方向性を模索していた時期の作品群なのでしょう。お気に入りは『落砂』 不可思議な描写が特徴的。裏か表か表か裏か。2013/05/19
まつじん
12
短編集なんですがね、全編空回り感が全開です。ちっとも前に進んだ気がしない、そんな読書タイムでした。2011/05/07