ハヤカワ文庫
グアルディア〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150308872
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

知性機械サンティアゴの到来を神の奇蹟と信じる民衆は参詣団を組織し、到来の地・グヤナを目指していた。アンヘルは参詣団の守護者として同行するJDとカルラの監視を続け、JDが失われた殺戮兵器・生体甲胄の着用者であると確信、二人を招きサンティアゴ確保のためグヤナへの共闘を迫る。アンヘルの残酷で悲壮な企みの果て、ついに到来するサンティアゴの秘密と、彼女の真の目的とは?愛憎と頽廃のSFオペラ、完結。

著者等紹介

仁木稔[ニキミノル]
1973年長野県生まれ。龍谷大学大学院文学研究科修士課程修了。2004年、ハヤカワSFシリーズJコレクションより刊行された本作で作家デビュー。新人離れした壮大なスケールの作風が高い評価を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

25
熱気に咽ぶディストピアには、明るい未来は訪れなかった。次第に明らかになるグアルディアとメトセラの歴史と正体。悲劇しか残らない中で、ユベールだけが未来を背負わされた。彼だけは健全だったなぁ。これから支配者として、人類の終焉を遅らせる役割を担わされたのは辛いね、他に選択肢はないのだけれど。壮大な悲劇は、ただただアンヘルたちの自己確認と自己否定だったとも受けとれる。数千年くらい先の未来が少しでも幸せなものになりますように。2018/06/01

isfahan

4
二組の似た、しかし違った父娘(そして恋人同士でもある)の物語。その存在感は半端ではない。父娘の歪んだ愛情と関係をSFというジャンルの利点を活かして、鮮烈び描写している。はっきりいって、桜庭一樹の「私の男」より全然、エロスと退廃と一体感と背徳のある父娘関係をかいている。なんといっても、本当に父親が娘を「出産」してしまうのだ。SFにしかできない、強烈な愛情と歪んだ関係性。「私の男」読むならこっちも読んで欲しいな~。薦める人を選ぶけれど。小説としては読みにくいところも多いけれど、もうそんな欠点を差し引いて好き2009/08/05

Empirestar

4
ヴィジュアル的にグロテスクなシーンが出るものの、SF的アイディアがうまく組み合わさり、マジックリアリズム的な設定をうまくSFの準拠枠に落とし込む。ラテンアメリカという地を選んだことにより、より文明の侵食と復活というテーマをさまざまな角度から考察しているのが面白い。ベースになるのは歪んだ愛なのだが。2009/06/21

可兒

2
天使が降りてきたくだりで笑っていいのかどうか迷った。そういう世界ならしょうがないと納得させられるだけの理屈と矛盾のオンパレード。そのインチキ具合がまさにSFなんじゃなかろうか。読み返す必要はあれど、それは理解不能だからではなく、またこのカオスに浸りたいからだと確信できる。いささか不健康な趣味かもしれないが2011/04/08

コトブキ

2
上巻はスラスラ読めたのに、下巻を読み終えるのにえらく時間がかかってしまった。設定やディティールは面白いと思いつつも、読みづらいところが多く、すんなり頭に入ってこないので物語にノリづらかった。こういうテーマで何冊か書いてこなれた頃に、またこの作者の作品を読んでみたい。2010/05/27

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