内容説明
泥棒やヤクザにも免許が必要な、すべての職業が国の許可制になっているもうひとつの世界。頼りない所長にかわって、ボランティア斡旋所兼便利屋を切り盛りする良子に困った問題がもちあがった。地元のヤクザが、彼女の住む日の丸ハイツからの立ち退きを要求してきたのだ。住民会議に参加した良子だったが、そこに奇妙な生き物“マロくん”が迷いこんできて…。“非日常”にも揺るがない“日常”の強靱さを描いた異色作。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirune
33
耳のない猫のようで、ドラゴンみたいな宇宙人のマロくん☆見たかったな〜どんな職業も許可制でヤクザや地上げ屋なんかもマニュアル化してて認可が下りてればどんな理不尽も許される。。なんか怖い世界…と思ったら、現実世界でも法律さえ成立しちゃったらこういう事ってありえるんじゃない…?(O_O)こわっ☆2015/04/17
ヴェネツィア
14
『あなたの魂に安らぎあれ』、『帝王の殻』、『膚の下』と続く一連の作品は、世界(日本ではない)ハードSFの最高峰と位置付けてもよいと思う。その神林が書いたのがこれ。まったく別人という趣きだ。たまにはこんなのも書いてみて、息抜きしたくなったのだろうか。SFと呼んでいいものやらわからない。宇宙人こそ登場するが、ほとんど迷い込んできた猫。帰還の場面こそはそれらしいが・・・。2012/05/29
miroku
11
台詞多過ぎ!神林さんにしてはイマイチ。2012/05/23
bowmorelover
10
驚くほど日常。普通宇宙人が出てきたら大騒ぎのはずが、登場人物たちはほかのことをやっている。そして宇宙人は帰って行って終わり。神林作品では珍しく機械が出てこない。普段の神林作品を期待してると面食らう。2012/01/09
ノリピー大尉
9
ヤクザや泥棒も含めてすべての職業が国による免許制になっている不思議な社会。横暴な立ち退き要求にアパートの住人たちが団結して立ち上がるが、緊迫感のない空気感に読んでいて脱力の連発。宇宙人も登場するからか、一応、SFに分類されるらしい。2015/07/29