内容説明
北野勇作さんといえば、ずばり“動物”。日本SF大賞受賞作『かめくん』はいうまでもなく、『ザリガニマン』『イカ星人』など、その作品の多くには数々の動物たちが重要なモチーフとして登場します。そんな北野さんの作品世界を、おりがみ付コンパクト文庫という形で表現したのが、『北野勇作どうぶつ図鑑』です。短篇20本、ショートショート12本をテーマ別に編集、全6巻に収録しました。『その2 とんぼ』には、とある工場にやってきた奇妙な機械を描いた「新しいキカイ」、書き下ろし「トンボの眼鏡」、北野さんの原点ともいえる初期中篇「西瓜の国の戦争」の、侵略テーマ3篇を収めました。北野さんならではの、どこか懐しくて、どこか切ない世界にひたってください。
著者等紹介
北野勇作[キタノユウサク]
1962年兵庫県生まれ。『かめくん』で第22回日本SF大賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぜんこう
26
全部とんぼの話かと思ったら違った。 イソギンチャクとかアマゾン西瓜とか、やたら地球侵略…それがSF(^^) でも相変わらず北野さんの文章は内容も含め大好き。 シュールで病みつきになります。 このシリーズ、6巻まで借りてるけど、あっと言う間に読んじゃいそう(^o^)2019/02/21
gu
3
昔はそうでもなかったのだけど、シリーズで一番か二番目に好きな巻。『トンボの眼鏡』のぞわぞわする感覚が心地良い。『西瓜の国の戦争』の連想と喪失の瑞々しさ。2020/02/22
やんも
1
無限に多重化する夢、ある日、生活に入り込む外界の存在たち。侵略者は、意外な姿と方法でやってくる。ムカデ型新システム、トンボ型の電子ウイルス、そしてスイカ……。2013/01/30
warimachi
1
「どうぶつ図鑑」シリーズの中ではいまいちぱっとしない印象を受けはするものの、わりと古めのにおいのする「新しいキカイ」、認識を問題にする「トンボの眼鏡」など不気味な雰囲気を醸し出す秀作ぞろいの一冊。また「トンボの眼鏡」が書き下ろしというのもポイント高し。2009/05/04
たこい☆きよし
0
北野勇作の短編を巻ごとにテーマ(どうぶつ)を決めて全6巻で出版する企画の2冊目。このトンボは無地の折り紙でもいくつも作ったっけ。2016/09/14