ハヤカワ文庫<br> 天を越える旅人

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ハヤカワ文庫
天を越える旅人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 445p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150305789
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

チベットの少年僧ミグマは、くりかえし不思議な夢を見た。雪山の頂で死を待つ夢だ。それが自分の前世の姿かもしれないと高僧から告げられ、ミグマは遙かな過去をさぐる旅に出る。やがて、前世がシェルパであったことを知った彼は、この世界の秘密が隠された曼陀羅へと導かれていくが―輪廻とは?情報とは?宇宙とは?壮大な物語のなかを主人公とともに彷徨う間に、新しい世界観が目の前にひらけていく山岳幻想巨篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろびん

3
山と宗教は相性良いよな。2019/12/28

rouningyou

2
修行中の僧が雪山での臨死の夢を見、自分の過去生を求め彷徨ううちにステージが高くなり時空を超越し太陽系を抜け出し宇宙の始まりを見、悪霊と戦い、とうとう途轍もない領域に到達していくというRPG めいたファンタジーかとも読めるが、これが「岳人」に連載された山岳小説と捉えれば別な側面も見えてくる。登場人物は殆どシェルパと僧侶だけ、通常の山岳小説の主人公である海外からの登山隊は死者としてしかでてこない。シェルパたちは道案内、強力として雇われ、時には8000メートル峰までサポートを務め、命を落とすことも多い。そんな犠2015/10/30

yamakujira

2
チベットの寺院で育った孤児ミグマは、前世の記憶に突き動かされて旅に出る。自分がシェルパのナムギャルが転生した存在だと知り、さらに何代も遡ると、宇宙の真理に挑んだミネルパにたどりついた。ヒマラヤの山岳風景や、シェルパとしての登攀シーンが多いけれど、山岳小説というより、壮大なファンタジーだな。仏教に頼った世界観だから仕方ないものの、輪廻思想のように「死後」を肯定する物語は好きじゃない。とくにラストは宗教と科学の融合を図ったようで、理屈をこねまわすような文章に疲れた。 (★★☆☆☆)2015/06/23

Tetchy

2
登山家でもある作者が、山の神々の存在について著したと思われる本書。九死に一生を得て生還するようなこの世界、明らかに神の配剤なるものを感じずにいられないのだろう。ミグマというラマの修行僧を通してまずは曼荼羅に記されたこの世の真理を説き、生死の境で相見える山に住まう神々の存在を知った者たちを通して登山と神との関わりを幻想文学の形で描く。物語は更に思弁哲学の様相が濃くなりやがて相対性理論に行き着く。それも西洋数学の知識に基づくのではなく、仏教的世界観を以って、そこにアプローチしていくのが面白い。2009/12/10

めがP

1
SF作家であり山岳小説家でもある作者の本。 チベットの少年僧が見る様になった悪夢、雪山で遭難して凍死する夢それは、ミグマの前世の最後の様子だと…。 彼は自分の前世に導かれる様に旅立つ。 仏教とチベット密教、曼陀羅に記された仮想世界への秘密、そして転生を続けるミグマの旅の目的はそして、彼が最終的に目指す山頂は天頂、異世界の通路へ繋がっている。 精神世界から宇宙空間そして多次元宇宙へ繋がっていく壮大な話に広がっていく。そしてミグマは通路を潜って新世界へ旅立っていく。2020/09/30

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