内容説明
コロナ状況で「マスク生活」が当たり前になる前から、私たちには“こころのマスク”をつけて過ごす場面が多かったかもしれません。その心性は、コロナ騒動の収束後も続く「避密」な営み(オンライン活動やコンビニでのレジ並びなど)に痕跡を残しています。本書はそうしたマスクの下の「秘密」を、精神科医療の実際から描き“社会のマスク”の謎を解きます。三密(密閉・密集・密接)回避の代償として失われたこころの成熟に欠かせない「三密」―濃密な体験/親密な関係/秘密の世界―を取り戻すためにも!
目次
1 Life has its faces and masks(こころのマスクを外す;子どもの頃の思い出;マスクをめぐる対人関係;「隠す」マスクと「見せる」マスク;マスク美女とマスク美男;マスクを「する」ことと「とる」こと;マスクと日本人;「隠す」ことと「偽る」こと;仮面としてのマスク)
2 So many masks,so many minds(m´emoire コロナ時代のメモリー;soci´et´e こころのマスク社会)
著者等紹介
岡田暁宜[オカダアキヨシ]
1967年愛知県生まれ。名古屋大学総合保健体育科学センター/大学院医学系研究科精神病理学・精神療法学教授。名古屋市立大学大学院医学研究科修了、医学博士。愛知医科大学助手、愛知教育大学講師・准教授、南山大学教授、名古屋工業大学教授、慶應義塾大学教授を経て、現在に至る。専門領域は、精神分析、精神分析的精神療法、力動精神医学、大学メンタルヘルス、心身医学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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