内容説明
19歳の優子は4年前のある日、祖父から奇妙なことを告げられた。おまえは砂の中から生まれた、その身体は偽身だから真身を取りもどさなければならない、と。しかも真身は中央放送局の地下の聖室にあるという。家族から見捨てられ、不可思議なことを語り続ける老人は、やがてひとり寂しく死んでいった。そして祖父の死後、優子は真実を確かめるため中央放送局へと向かったが…おそるべき世界の真相を暴き出す連作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miri
39
連作短編集。スリリングな最初の短編は集中して読んだ。映画マトリックスのように偽物の世界で戦うのかと思ったが、尻切れトンボのように他の短編へダイブ。次々と世界も性別も人も変え、サリーの女の影を追い、夢は続く。サリーの女も夢幻か。夢は辻褄がつかなくとも、急に目が覚めようとも、夢だものと落ちがつく。2024/02/18
どんまいシリル
4
何とも不思議な世界。「地球滅びちゃったかも」「自分とは、記憶とは」「海は砂漠だった」…神林作品はたくさん読んだが、これが神林ワールドなのかと、初めて思った。結局、黒髪の女性は何だったのか、よくわからないけどOK。2015/06/30
ロックとSF、たまに文学
3
プリズムが好きな僕は、こっちも好きです。2021/06/10
藤原
3
短編ひとつひとつは面白かったけど総体としては?だった。俺にはちょっとレベルが高かったな…2018/08/27
さとさとし
2
この短編集は、謎の提示と謎の解決がほどほど短く、楽しく読めた。 現実と非現実の間を描いた作品で、 言ってしまうと、壮大な夢オチの連続なんだけど、その夢を見ている間はその夢に没頭してしまえる面白さがあった。 最後はなんかダラっとした感じだったが。 最初の話はこう。一般的にはキチガイといわれているおじいちゃんが語る物語、この世界は嘘で、カプセルに閉じ込められている人間が見ている夢なんだ。というのをどうしても疑いきれない優子。 ある事件を機に自分の体の眠る中央管理局に向かうのだが、、2016/08/01
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