内容説明
元Jリーガーの花島は、失業中。ひょんなことから小学生に誘われ、公園でサッカーをすることに。しぶしぶ加わった花島だったが、不思議な三つ子のプレイに目を奪われる。三人とも同じ顔の男の子。それが絶妙なパス回しやドリブルでどんどん点を重ねていく。恐るべき才能に驚く彼は、コーチを引き受けたが…。少年たちの友情とサッカーのダイナミズムを鮮やかに描ききった新感覚青春小説。
著者等紹介
川端裕人[カワバタヒロト]
1964年兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。東京大学教養学部卒業。日本テレビ入社後、科学技術庁、気象庁担当記者を経て、97年退社。1998年『夏のロケット』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
45
初読。失業中の元Jリーガーが脅威的身体能力の三つ子と出会い、少年サッカーのコーチとなる。目指すは銀河系最強。サッカーが何人でやるスポーツなのかすら知らない私にとって、2012年のナツイチ読破のためでなければ読まなかったろう作品だが、三つ子の他の子ども達もよく描かれていて子ども達の成長を楽しく読めた。2013/01/27
ウィック&ぺディ
33
★★★★☆ 普通の少年サッカーを題材にした作品というと弱かったチームが監督の力によって強くなったり、チーム内の軋轢を乗り越えて成長していったりというのが王道だと思うけど、この作品はスケールが違う。目をみはる実力を持つ三つ子やスペインの血が入ったハーフの子、翼という名のキャプテンなど、全国、いや世界、いやその上を狙える可能性を秘めた面々。失業中だった訳ありの元Jリーガーの指導者との出会いからチームは結成されるが、キャプテン翼顔負けのSFのようなタイトルの秘密に絡む怒涛の展開が待っています。2021/07/10
まさ
16
いきなり「前のコーチ…巧くなかったんですよ」に凹み、昨日は自分がコーチを務めるチームの大会での惨敗に落ち込みながらも、少年サッカーという(ストーリー展開はともかくとして)身近な題材の中で、いちいち共感しながら楽しく読み進めた。 試合の様子が、鳥瞰的な実況ではなく常に選手個々の視点で描かれているのが新鮮で、サッカーが盤上の駒やコンピュータ画面の輝点ではない「人」がプレーするゲームなのだということを再認識した。 子供たちを指導していく上で、一人一人の個性をどう伸ばしていくかを改めて考えるきっかけになった。2013/02/11
明那
13
アニメを観てハマり、小説に手出しました。登場人物が魅力的なんです!まさか最後プロの大人、しかも最強チームと対戦するなんて思ってなかったですが(笑)かなりぶっ飛んだ話だけど、子供達の成長がとても感動的。私はサッカー全く分からないので、試合シーンは読むのかなり苦労して時間かかりましたが…。やっぱり竜持くんと多義くんが好き!終章で、多義くん、エリカちゃん、玲華ちゃんにあまり触れられなかったのは不満ですが…。とりあえず、翼くんの成長が一番感動的。ただ、小説は少しアッサリなんで、個人的にはアニメの方が好き。アニメで2012/12/07
きたさん
12
読む前はタイトルの「銀河の」にうっすらとした道徳の教材っぽさを感じてしまっていたけれど、サッカーで銀河、と言ったら確かにレアルのことでした。消えかけたチームが全国制覇を目指し、世界そしてその先を、というありがち且つ非現実的な話ではあるのだけれど、全くの絵空事ではなく「もしかしたら」と思えただけで充分、私の中ではリアルなお話。設定や方向性はYAっぽいけれど、大人もこどもも道徳的な意味でちゃんとしていない人ばかりなので、それだけで教科書の雰囲気が消え好印象。3章、特に試合のシーンがやたら泣けて仕方がなかった。2019/02/19