内容説明
惑星マーティンの平和は突如襲来した宇宙艦隊によって破られた。侵略者の名はアーヴ、遺伝子改造によって宇宙空間に適応した人類の子孫だという。彼らの強大な軍事力の前に全面降伏の道を選んだ惑星政府主席の決断は、その幼い息子ジントの将来を大きく変えた―運命のいたずらでアーヴの星間帝国の貴族となった少年の冒険行を、SFマインドあふれる設定と、息もつがせぬストーリーで描いた気鋭のスペースオペラ超大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
65
日本のスペース・オペラ作品の中でも屈指に位置づけできる作品だと思う。読者の好みにもよるが、おそらく『銀英伝』と双璧ではないか感じた(物語のシュチエーションは、まったく違うけれど…… )。ただ、玉に瑕なのが著者・森岡浩之氏が、多分に遅執なことである。まぁ、あれだけ設定が細かいと、仕方がないというところなのか?2015/07/06
佐島楓
35
前から読みたかったシリーズ。ひと波乱を予感させるスタート。二巻へ。2016/04/07
こも 零細企業営業
32
スペースファンタジー。 ラフィールの遺伝子上の母親が帝国の最初の犠牲者になってしまった。 ラフィール、ジントが逃亡した先の男爵はかなり危ない人だった・・零細企業のボンボンの思考に近いな。2019/11/08
クナコ
22
再読3回目。ちゃんとSFしている長編はこれしか読んだことがない。人類は地球を巣立ち銀河系へ遍く移り住み2兆を超えた。主人公は「アーヴによる人類帝国」なる強大な星間国家に征服された星の出身。同時にその星系の領主兼アーヴの貴族になりおおせた、星の裏切り者の息子でもあるジント。多くの人類にとっての「悪の改造人類アーヴ」の仲間入りを果たし、帝国軍に入隊予定のジントは、美しいアーヴの少女軍人ラフィールに出会う。由緒正しきボーイ・ミーツ・ガールであり、少年少女は私たち読者に世界観と帝国についてを紹介する水先案内人だ。2019/04/19
マッピー
21
高校生の頃SFを読み始めたきっかけがスペースオペラだったので、とにかく楽しい読書でした。30年くらい前の作品。今っぽく尖ってなくて、ほんと好きだわ。50ページくらいで次々に場面転換するので、テンポよく読めるのもいい。そして猛烈に次巻が気になる。よい本に巡り合えました。”けれども、彼らは誠忠と隷属の区別をちゃんとつけていたものだ。”これ、大人として大事なことだよね。2023/10/03