ハヤカワ文庫<br> フェミニズムの帝国

ハヤカワ文庫
フェミニズムの帝国

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  • サイズ 文庫判/ページ数 357p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150303655
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「助けて」路地の奥から聞こえた叫び。うら若き男性が三人の女にレイプされている。会社帰りに暴行事件にまきこまれた青年いさぎは、まるで“女のように”強い男に助けられる。たくましい女性と結婚して楽しい家庭をきずき、〈男の花道〉で命をまっとうしてますらお神社に英雄として祭られるのが男の幸せ…。徹底した女性優位社会に疑問を感じたいさぎはその男にすすめられるままに、メンズ・リブ運動に身を投じるが。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山口透析鉄

23
私はこれ、単行本が出た頃に本を注文して買い、読みました。 テーマは興味深かったですが、残念ながら男女の役割を逆転するだけでは色々と不十分で、当時のSFマガジンの書評でも、川又千秋氏が、こういう社会では、こうはならないのでは?といった疑問を呈していて、ただ、根本的な問題意識は買う、というような評を書かれていたと記憶しています。 作者、暗黒の中世は古い云々、と当時、発言されていましたが、作中では暗黒の近代云々、と出てきていて、あぁ余り分かっていない人だ、と、この本だけで読むのは辞めました。1988/11/26

jamko

14
男女の力が逆転した世界を描いた『パワー』が話題で読みたいんだけど(購入済み)それに関連する呟きで目に入った『フェミニズムの帝国』という書名がまた気になり、こちらを先に読んでみた。88年に出版された国産SFで、『パワー』やよしなが版『大奥』と同じく男女逆転社会を描く。これがまた今読んでも面白くて、まず単純にエンタメとして面白いんですね。女性優位社会に戦いを挑む男達の革命の物語でもあるし、スパイゲーム的なスリリングさもあり、エロもアクションも、とてんこ盛りで読者を引き込んでくる。→2018/11/12

還暦院erk

5
図書館本。実は大昔に読んだことあり。展開ラスト共に忘却の彼方にあったが、何故か最初の設定だけは覚えていた。実在の病気が男女役割逆転のキーになったり、ますらお神社が例の神社を連想させたり…いろいろアブナイなぁ。でも「名誉のために死ねるのは男だけ」って何となく納得できた。結末は個人的には可哀想過ぎかな…主人公より真理子や武田、チョイ役のアマゾネスとか…(涙)。女→男の性暴力はキモかったが、男→女のはひたすら蹂躙的で辛かった。2016/10/21

銀木犀

4
書評で偶然見かけて興味を持ったので読んでみた。とても興味深い内容。男女の役割が逆転した近未来社会を描いたSFなんだけど、男らしさ女らしさってなんだろうと考えさせられるしエンターテイメントとしても面白い内容。役割が逆転した理由もだんだんわかってくるけど、これまたびっくりな設定。ジェンダーも強調しすぎるとグロテスクだなあ。平等も難しいけど。しかし、この後どうなるんだろうという結末だった。2009/11/14

小物M2

3
男性と女性の立場が逆転した世界を描く長編SF。性描写が多いので人は選ぶかもしれないが、個人的には傑作だった。何と言っても本作は冒頭からして衝撃的。若い男が三人の女にレイプされている、という場面から始まるのだから。男と女の全てが逆転した世界というのは何とも居心地が悪いというか、ここまで徹底的にやると非常にグロテスクになるんだな。そして、徐々にメンズ・リブ運動が過激になり、不穏な空気が高まりつつ迎える結末は狂気的な発想と暗黒時代。本作は今だから読んで欲しい。ある意味これは早すぎた作品だったのかもしれない。2015/09/09

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