ハヤカワ文庫<br> ティモシー・アーチャーの転生 (新訳版)

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ハヤカワ文庫
ティモシー・アーチャーの転生 (新訳版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150120405
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ジョン・レノンが射殺された日、エンジェルは亡き人々を回想し始める……。鬼才の遺作

内容説明

ジョン・レノンが死んだ日、ラジオからはビートルズの曲がずっと流れていた…。その日、エンジェルは、かつての友人たちを悲しみとともに回想する。死海砂漠で遭難して死んだ義父ティモシー・アーチャー主教。精神の安定を失い自殺した義父の愛人キルスティン。父への劣等感とキルスティンへの欲望に耐え切れず自ら死を選んだ夫のジェフ。絶望の70年代に訣別を告げる“ヴァリス”三部作完結篇にして鬼才の遺作・新訳版。

著者等紹介

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年生、東京大学大学院工学系研究科都市工学科修士課程修了。翻訳家・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

波璃子

24
「ヴァリス」三部作の最後の作品にしてディックの遺作とされている作品。前二部作では神秘主義中心だったのに、本作では手のひらを返したようにこの考えは狂ったオカルト的思考とされていてこの考えに溺れた登場人物たちは皆死んでいく。これがディックの最終地点だったのかと考えるとちょっと面白い。内容はかけらも理解できていないけど。2016/02/23

おにく

21
SF要素は無く、ディックが生前、交流のあったジェームス・パイク主教(ティモシーアーチャー)をモデルに、名声とスキャンダル、神秘思想にのめり込み、最後は砂漠で命を落としたパイク氏の生涯を、史実とフィクションを絡めて描いてます。ディック自身も、これまで提唱してきた自身の宗教思想を客観的な立場で見ているような感じで、占いや超常現象を絶対的に信じるアーチャー主教に対して、物事を客観的に見つめる主人公や、精神的な障害を抱えて抽象的な考えが出来ない青年とのやり取りなど、この本で自分の考えを今一度振り返ってみたのかも2016/06/17

けいちゃっぷ

20
1982年3月2日に53歳で亡くなったディックの『ヴァリス』『聖なる侵入』に続く三部作完結編にして遺作。 女性の一人称のせいか訳文のせいか、序盤はまごついたが慣れればかえって読みやすかったかな。 ようやく宗教というか霊的なものに決別がつけられたようにも受け取れるがどうなんだろう。 『ブレードランナー』を皮切りに原作の映画化が始まり、これからという時に亡くなられたのは本人にとっても無念だと思う。 生まれ変わったニュー・ディックの新作を読みたかったぜ。 408ページ 2017/06/20

記憶喪失した男

17
ティモシー・アーチャーって名前が格好いい。2016/12/02

もよ

16
女性が主人公の回想形式で、基本的に時系列に沿って進む(この著者には珍しい)オーソドックスな小説。『ヴァリス』とセットで自伝的というか、60年代と何とかケリを付けたという事なのだろう。ずいぶん遠回りをしたものだ、という印象もあり、一方で、こういうものを抱えながら多くの傑作SF小説が書かれたと思うと感慨深い。2016/04/23

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