内容説明
暗礁に乗り上げた研究プロジェクトを救うため、ジテタミンを投与されたジョアンナが疑似臨死体験のなかでたどり着いた先は、思いもかけぬ場所だった。自分は確かにここを知っている。なぜ、どこなのか思い出せないのだろう?ジョアンナは答えをもとめて必死に調べ始める。なんども臨死体験を実験で繰り返し、ついに突き止めた真相は、まさに予想だにしないものだった!ローカス賞に輝く読み始めたら止まらない感動作。
著者等紹介
ウィリス,コニー[ウィリス,コニー] [Willis,Connie]
1945年コロラド州デンヴァー生まれ。1967年、北コロラド大学卒業後、教師をつとめるかたわら小説を発表しはじめる。短篇集『わが愛しき娘たちよ』収録の「見張り」でヒューゴー賞・ネビュラ賞を受賞。1992年の『ドゥームズデイ・ブック』は、史学部の史学生の中世への時間旅行を描き、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞のトリプル・クラウンを達成。『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹篇である、1998年発表の『犬は勘定に入れません』は、ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した
大森望[オオモリノゾミ]
1961年生、京都大学文学部卒、翻訳家・書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆかーん
67
予想はるかに裏切られる展開となりました!言いたいことはたくさんのありますが、全てのキーワードがネタバレにになってしまうため、言葉にできないのが辛いです…。ジョアンナが臨死体験で見たものは現実なのか、幻と化した夢だったのか、謎を追求すればするほど、彼女は二度と戻れない恐ろしい世界へ引きずり込まれていきます。沢山の実験患者の証言に右往左往させられながらも、臨床体験で得たメッセージを相棒のリチャードがどのように解読するのか、最後の最後まで気の抜けない展開に、読めば読むほど夢中なりました!2017/04/27
催涙雨
58
ジョアンナの臨死体験のイメージが終盤にかけてある種の退廃的な美しさをまとい始め、作品テーマの昇華とともに終焉を迎えるところがこの作品でもっとも好きなところ。下巻の中盤でNDEに関する結論が出て以降はリチャードがそれにたどり着くのを追っていくだけの展開になる。でも、それらはジョアンナのNDEと交互に語られるためか、推理小説のような焦燥感があって読んでいて楽しかった。いやそれにしても長かった。原稿料をとるための字数稼ぎが上手いという評価をどこかで見た記憶があるのだが、そういう言い方をしたら怒られるだろうか?2020/04/15
いちろく
50
下巻は、臨死体験を扱ったテーマであるから、生と死を扱ったテーマであるからこそ、予想出来た展開であり、予想出来なかった展開でもあった。人の死が導く結果が、周りの人達にもたらすモノが、幸福であるのか?不幸であるのか?後半は、それが気になりページを捲っていた印象。読了後に見返したタイトルも、上手いな、と。宇宙の出来事でもなく、地球上の日常の出来事でもなく、生と死の概念で、こんなにも深く切り込んだSFを読む機会は中々なかった。その点でも印象に残った物語。紹介感謝! 2017/11/15
かわうそ
44
いかに伏線が張り巡らされているとはいえやや冗長かなと感じる一方、そこまでの膨大な書き込みがあるからこそラストの感動に繋がる部分もあって。総合的にはやはり少し長過ぎだけど、シリアスなテーマにも関わらず重苦しくなりすぎず非常に面白かったです。2015/03/14
Small World
38
下巻は上巻以上に一気読みでしたね。面白かったです。まさか途中で.....だなんて、思いもよらぬ展開でした。ラストは静かな終わり方が印象的で、村上春樹さんの「世界の終わりと~」を思い出しちゃいました。さて、次にコニー・ウィリスを読むなら「ドゥームズデイ・ブック」ですかね、やっぱり。(SFが読みたい海外編2002第1位作品)2017/06/29