内容説明
忽然と消えたダイオウイカの標本を求めてロンドンを彷徨うビリー・ハロウは、クラーケン神教会に保護される。ダイオウイカは伝説の海獣クラーケンの正体とも言われる巨大頭足類で、世界の終末のキーとなる存在としてあがめられていた。ビリーは、ダイオウイカを担当していたがために、複数のカルト勢力から付け狙われることとなる。SF/ミステリ/伝奇など、さまざまな小説の魅力が凝縮されたジャンルミックス・ノベル。
著者等紹介
ミエヴィル,チャイナ[ミエヴィル,チャイナ] [Mi´eville,China]
1972年イングランドのノリッジに生まれる。ケンブリッジ大学で社会人類学の学位を取得。ロンドン大学で国際法の博士号を取得している。98年に長篇『キング・ラット』を発表してデビュー。2000年に刊行した「バス=ラグ」シリーズ第一作にあたる『ペルディード・ストリート・ステーション』は、クラーク賞、英国幻想文学賞を受賞、一躍SF/ファンタジイ界の寵児となった。2009年に刊行された『都市と都市』は、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞、ローカス賞、クラーク賞、英国SF協会賞の主要SF/ファンタジイ各賞を独占
日暮雅通[ヒグラシマサミチ]
1954年生、青山学院大学理工学部卒、英米文芸・ノンフィクション翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GaGa
44
面白い、面白い。半村良や、筒井康隆、あるいは平井和正なんかの作品群が読んでいる途中ダブってしまった。作者はこの小説をコメディと言っているようだが言い得て妙。このくらい頭をからっぽにして読み進めるものも書けるのだなと感心した。正直「都市と都市」よりずっと好き!2014/03/10
sin
37
我が触腕の同志たちよ!この本に表されるクトゥルーは、マクドナルドやコカコーラのようなもので、残念ながら同志が望む現実世界を浸食する存在ではありません。ああ、導入がスタイリッシュで期待させたから読み進むにつれてずっこけたけど、チャイナ・ミエヴィルは天才だな!でも早川っ!下巻の帯はあかん!クトゥルーちゃうやん(まだ言う)2013/08/01
かとめくん
26
消えたダイオウイカを廻り魔都ロンドンに暗躍する魔人たち。特にゴス&ザビーの破壊力。ダイオウイカが光の届かない深海に生息していながら目くらましの墨を吐く必要があるのかが魔力につながるという奇想が伝奇アクションとして成立させている。でも、SFではなかった。2015/11/27
かわうそ
18
ニヤニヤ笑いながら読めるところが多くて嫌いじゃないけど、ネタが盛り沢山な上に展開が「何でもあり」すぎるのと具体的にイメージしにくい描写が多いのとで全体的に何が起こってるのかわかりにくかった。2013/08/11
eirianda
16
やっと読めた。進化論、新興宗教、オカルト、SF小説&テレビドラマの入り混じったミエヴィルの脳内大戦争。多すぎる登場人物を把握すれば、この物語に入り込めることに気づいて、新しい人物出てくるたびに、付箋を貼りながら読み終えました。バイロマンサー、遡時間燃焼素、ダーウィンの巻き戻し…わかったようで、まだクリアでない….。もう一度下巻を読むと感動するのか? コメディだしなぁ。『都市と都市』の息抜きで書いた作品って、『都市と都市』の方が好きな私は、今後ミエヴィルと折り合えるのかが不安になる。 2019/07/21
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