内容説明
一週間以内に解毒剤を打たないと確実に死亡する毒物を、狂気の生物学者シャマノヴォに注射された三人の男たちは、ホヴァークラフトに乗り、パラトカ制御ステーションをめざしていた。地球でわずかに生き残った三人、カウクとティングマーとブラフは、パラトカに到着したら、解毒剤をあたえるというシャマノヴォの約束を信じるしかなかったのだ。三人の唯一の希望は、危機にさいして逃げだしたK=2ロボットだけだった。
著者等紹介
嶋田洋一[シマダヨウイチ]
1956年生、1979年静岡大学人文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
12
消えた人類の行方はわかっているので、それはいいとして、どんな基準で残された人類が何人いるのかが気になります。そして見え隠れする新たな勢力も気になりますが、人類という大きなくくりの上で一人だけ上滑りするアラスカ・シェーデレーアが、今まで自分が人類として阻害された存在として悩んでいた状態からの対比が今後どう生きてくるんだろうか。ちょっと面白さはキャラ立ちがない分ローダンサイドよりも落ちるなぁ…2010/10/28
鐵太郎
7
「テラ・パトロール」 テラ・パトロールは以下の目的を有する。 1.テラのポジションを確定する / 2.消えた人類を発見する / 3.地上の生存者を捜索し、テラ・パトロールに編入する / 4.ネーサンを復旧する / 付則 以上の四点にかんがみ、状況に応じて適切に任務を遂行する。 / テラ・パトロール隊員は、右記の目的達成のために全力をつくす義務を負う。 ・・・テラニア・シティにて 3572年3月4日 なんともはや、ドイツ人。なんでもシステマチックに進めようとしますな。(笑)2010/09/21
マーム
6
人類はどこに消えたのか?大カタストロフィで死んだのなら遺体があるはず。未知エネルギーによって消失したのなら、地球上の他の生命体にも影響があったはず。犬たちは生きているしね。でも、動物たちの知性が上がっている節があるので、未知エネルギー説というのも棄てがたいかも。そして気になるのが地球の上空に時々出没する未知飛翔体。人類消失の原因者がその後の状況を観察しているのか?それとも全く別の勢力が地球の様子を窺っているのか?謎はますます深まるばかり・・・。2010/09/18
スターライト
5
地球に散在していた生存者たちは、シェーデレーアの提案で「テラ・パトロール」を結成。人類の消えた地球で組織的な活動を開始する。一方で、暗躍する黒い未知の飛翔体の謎がクローズアップされる。具象クレルマクとは果たして何者なのか、テルムの女帝とともに次のサイクルまで謎の解明が持ち越されるのか、ますます目が離せない展開に。2010/11/10
黒猫トム
3
再読。 どうでもいい話だが、コロナ禍で通勤時間が消失した途端読書頻度も激減した。前巻から随分と間があいた。 前半シガの子が仕事をする狭い世界のミステリアス譚。 後半はテラ・パトロールに「使える男」が参画する。 嶋田氏の奥方ががんで逝かれた話が重くつらく、しかしどこか温かい。あらためて合掌2022/08/31