内容説明
コロニー防衛軍のなかでも勇猛果敢で知られるゴースト部隊の隊員は、防衛軍に志願したものの、軍務につくまえに死んだ地球人のクローンで構成されている。だが、新たに部隊員となったジェレド・ディラックは、天才科学者ブーティンの遺伝子から作られたクローンだった。恐るべきエイリアン種族と手をくんだ裏切り者ブーティンの情報を得るべく誕生させられたディラックの熾烈な戦いと数奇な運命を迫真の筆致で描く話題作。
著者等紹介
スコルジー,ジョン[スコルジー,ジョン][Scalzi,John]
1969年、カリフォルニア州生まれ。1991年にシカゴ大学卒業後、地元の新聞で映画評やコラムを書く仕事につく。その後、天文学、映画、経済、ゲームなどについてのノンフィクションや記事をさまざまな媒体で発表してきた。2005年に刊行した第一長篇『老人と宇宙』は、ヒューゴー賞・ローカス賞の候補になり、2006年のジョン・W・キャンベル賞を受賞した。現在はオハイオ州で妻と娘とともに暮らしている
内田昌之[ウチダマサユキ]
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
70
第一作は、エイリアンとの歩兵戦とそこから生まれる英雄譚でした。今作は、戦闘アクションもところどころに散りばめられてはいますが、クローン兵士の選択の自由と責任がメインのテーマです。生きる目的は自分で見つけていくというのが人間では当たり前のことです。しかし、ゴースト部隊のクローンは生まれたときから兵士です。それをただ受け入れるだけ。人生の目的を選択できないのです。そんなゴースト部隊のある兵士が、愛する人との死別を経て、親としての愛、仲間への愛を獲得し、クローンのオリジナルとは異なる選択をする物語です。2018/12/04
sin
68
ミリタリーSFと云うと艦隊での戦闘が思い浮かぶが、戦術やらのアレコレに紛れて船の破壊による大量の犠牲者は見過ごされがちだ。それに比べて地上での戦闘は倒れていく戦士たちの各々の個性が描写されるせいかリアリティーを感じてしまう。ここに描かれた戦争に正義はない!ある理由で同じ人物が敵味方に別れて自身の理念のもとに、そして使命感に駆られて行動していく様に、そのことは明白だ。その過程で物語は意識とは、アイデンティティーとは何かと問いかけてくる。2021/06/02
猿吉君
54
老人と宇宙2作目、空気で暮らす異星人沢山、どことも戦争状態、頭の中に別の人、盛り沢山なスペースオペラを堪能。①個人的にカイネンが一番キャラ立ってました、最後の選択に涙②ジェレドは最初から結末が見えたかな。③常時辛い状態なんだけど雰囲気にユーモアがあるところがスコルジー。④悪役はかなりサイコで良し良し。⑤意識はコピーは出来なくて転送だけ?コピー出来たら諸々解決しそうな。⑥まだまだ続くみたいなのでいつかひょっこりこの主人公また出てこないかな。点数80/100→読み易い文章でとにかく面白い、全部読みます!2020/09/15
かわうそ
27
クローンのアイデンティティというテーマに、個人的なできごとがいつしか世界を巡る争いにつながっていく由緒正しい展開、ほどよくちりばめられた映像映えしそうなアクションシーンと、エンタテイメントのお手本のようなSF。続きも楽しみ。2018/09/19
火の壁
26
SFでは定番?な意識転送をメインテーマにして、意識を上書きされる者の矜持だったり葛藤を描いた内容。異星人に対して好戦的すぎるために袋小路に陥りつつある人類を危惧して、あえて降伏するしかない状況へと追い込んでいくブーティンのシナリオが印象的ではあったが、前作の方が老人を題材にしたシンプルな面白さがあった気もする。とはいえ、ブレインパルによる(意識の)統合やコンクラーベなど、連作なりにさらに深掘りされた設定は良かった。2025/01/12
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