内容説明
地球軌道上の衛星工場“天国”の外壁にとどまること60秒、見事ナジールは最高難易度の“ウォー・サーフ”を成功させた!だが喜んだのもつかのま、封鎖戦艦からの攻撃でスペース・スーツの推進機が破損、救助にきた新米サーファーのシーバとともに、“天国”内部に連れこまれてしまったのだ!そこでナジールが見た光景は、「天国」という名とは似ても似つかぬ悲惨なものだった…アメリカSF界に新風を吹きこんだ意欲作!フィリップ・K・ディック賞受賞。
著者等紹介
バックナー,M.M.[バックナー,M.M.][Buckner,M.M.]
全米規模の金融会社でマーケティング担当の副社長を務めた後、2003年に発表したHyperthoughtでSF界にデビュー。処女作にもかかわらず、その年にアメリカで発表されたペーパーバック・オリジナルのSFのなかで最高の作品に贈られるフィリップ・K・ディック賞にノミネートされた。2004年、同じ世界を舞台にしたNeurolink、2005年に『ウォー・サーフ』を発表。見事フィリップ・K・ディック賞を受賞した
冬川亘[フユカワワタル]
1948年、東京大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
36
解説で「ジジィは嫌いなので、とりあえず上巻を買って様子を見ようと思っているそこのあなた、読み始めたらいっきなので、下巻も用意しておかないと後悔しますよ(笑)」とある。これは間違っていて、正直下巻だけ買って読めば十分である。そもそも上手な作家が書いたなら30Pぐらいの短編でまとめられる小説である。むしろ不毛な上巻を読まず下巻から読めばわけのわからんジェットコースターに乗った気がして楽しめるのではないか?その後不足だったら上巻を読めばいい。ただ、読んで意味があるかどうかと問われると難しいが(笑)2012/09/08
sabosashi
14
地球の外には何があるか。宇宙には何があるか。活劇とかも? しかし宇宙とは地球の縮図でしかないと思わせることが近年は多い。ロマンはどこへ行ったのやら。地球の大企業の構図が宇宙にまで延伸される。地球外にて食糧を製造するひとたちは下請け的労働者とみなされる。つまりは宇宙規模での労使関係がありうるというのはこの作品のオリジナリティのひとつとみなされる。しかしストックホルム・シンドロームとか、人が関わってくると込み入った複雑な展開にいたる。 2024/03/12
鐵太郎
5
いや、最後まで読めば面白いんですが、出だしはつらかったなぁ。感情移入ができないんだもの。道楽な金持ちどものエゴイズムになんなんだこいつら、だったし、ちやほやされる女の子のしたたかさが鼻につく。宇宙空間の悲惨さはいまいちだし、軌道計算とか船外活動描写があちこち引っかかる。テーマは良いと思いますが、いいたことがいっぱいありました。2007/12/21
レイス
3
変に面白かった・・・かな。「諸君に分かってもらえるだろうか」なんて読者に語り掛ける文章に惹かれたりするんだけど、まず主人公に共感できないのでわかる気にもなれない。だけどそんな部分も面白かった。ラストも喜ぶべきかひどいと思うべきか。2021/06/13
アフロだよ!
1
クソジジイの下巻。天国の正体が明らかとなる。とんでもなく面白かった。コントロールを離れたナノマシン群が自己進化を遂げちゃうんだもんなぁ。んでもってそのナノマシン群が天国を循環したとき、人類のより良き未来が垣間見えるっていうのがとんでもなくSF。ジャンクな天国が文字通り本物の天国に。いや、ほんとすごいですこのウォーサーフ。2014/03/21
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