内容説明
ヒトゲノム・センターに勤務する気鋭の遺伝子学者ピエールは、帰宅途中、ネオナチの暴漢にあやうく殺されそうになった。ネオナチとなんの関わりもないのに、どうして狙われたのか?やがて、自分が連続殺人事件にまきこまれていると知ったピエールは、事件の謎とみずからの研究課題であるヒトゲノムに隠されている秘密に命がけで挑んでいくが…ネビュラ賞作家ソウヤーが、遺伝子研究の問題をスリリングに描く、会心作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
53
いやあ、面白かった。500ページを超える作品だが一気読み。また結末も爽やかでよかった。大満足(^^)遺伝子が伴う二つのプロットが入りまじり、緊迫感のあるストーリー。この作者は話の運びがとても上手い。ハヤカワ文庫SFだが、SF小説が苦手な方でも海外ミステリーが好きな人なら問題なく読めると思います。気になった方は是非ともご一読を。2012/02/20
けいちゃっぷ
10
ソウヤーはいつでもエンタメしてて読んでて面白い。 今回は遺伝子とナチ戦犯捜し。 遺伝子ネタはどのへんから未知の部分なのか分からないので読み流しになってしまった。 ナチ戦犯捜しは引っ張りすぎて最後はあっさりと終わった印象。 それでもさまざまなネタも入れて飽きさせずに最後まで読ませる手腕はさすがです。 535ページ 2013/12/02
やすお
6
本作品はどちらかというとミステリーの要素が強いSFだ。主人公のピエールがネオナチに襲われる。なぜ狙われなければならなかったのかがミステリの要素。物語ではテレパシー能力を持つ女性(妻となる)が登場したり、人のクローンが生まれたり、SF的要素もしっかりとある。DNAを研究するピエールが遺伝性疾患に係っていることが、謎を解決する手がかりとなる。そしてユダヤ人を大量殺戮したナチスの犯罪者を探すストーリーがピエールと関係しだしてからは、冒険小説のようなアクションも見せる。エンタテインメント要素はてんこ盛りだ。2016/06/24
すけきよ
5
これもやはりいつもどおり盛り沢山。テレパス、ナチ戦犯狩り、ネアンデルタール人の遺伝子、遺伝病患者の殺人事件、人類の進化……。ソウヤーの作品は、『次どうなるんだろう』的なはらはら感は少ないけれど、だれることなく、飽きさせないんだよな。DNAの説明はかなりすっとばしたけど(笑)これだけのネタが詰まってるから、だれそうになると次の話題、って感じなのかな。でも、その反面、もうちょいこれについて書いて欲しいなー、ということもある。2001/03/08
ジョニー
3
主人公が遺伝の舞踏病になっているかもという設定。その彼女はテレパス、人工授精する遺伝子は通常のものではない。といったヒトゲノムに絡む考察が盛りだくさん。それに加えてナチの収容所の考えである遺伝子で劣ったユダヤ人を排除するという選民志向を絡めた。いつか人類はフレームシフトを起こし次の時代に行くのかな。2018/06/30