内容説明
時は21世紀。大恐慌の余波でNASAは民間企業に売却され、米ソ共同火星飛行計画は実現間際で破棄されていた。だが、誰もが忘れていたこの計画に、ハリウッドが目をつけた。人類初の有人火星飛行を映画に撮ろうというのだ。かくして、元宇宙飛行士や映画スターを含む撮影隊が火星へ赴くことになるが…。航海の行く手に待ち受ける数々の冒険をドラマチックに描き、SF黄金時代を彷彿させる、心ときめく宇宙小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
4
良く言えば宇宙開発SFの王道のような、悪く言えばありきたりな設定のような。作者も色々と趣向を凝らしていますし、なによりも火星への熱い思いが感じられます。ただ、人類が火星に足跡を印すのは当分あり得そうもないですね。360ページ 2011/08/05
タコ星人
2
(よい意味で)真面目なのかふざけているのか分からない展開や会話はとても楽しめた。 本作を読むにあたり、10年ほど前にオランダのTV局が打ち立てた火星移住計画を思い出した(マーズワン・プロジェクト、調べたら残念な結果になっていたけど)。AIによる動画生成も現実的な今、デモゴーゴンに不思議道具感はない。作中ではぼかしているけど2025年前後の設定だし、妙にフィクション感が薄い。 なんだか今にも火星に行ける気がしてきた!あとは冬眠誘発薬HT血清の完成を待つだけだ! 2024/10/06
叡福寺清子
0
NASAやらなんやらの公共機関が私企業に買い取られたせいで色々いらぬ苦労をする情景は哀愁的とさえ言えた.物語の盛り上がりとしては若干薄目ではあったが,グリーティングスとフォンダ=フォックスの擬似親子がとてもとても良かったので全てを許す.デモゴーゴンは若干違う形とはいえ,すでに上がり前の技術になってるから凄いわな.2016/06/08
ivnin
0
奇想シリーズでテリー・ビッスンの作風が気に入って、ドキドキしながら長編を手に取った。本作は注文通りの感動作だった! 全体的に肩の力が抜けた、サスペンスとは無縁な作品であり、ハードSFと銘打っているものの、人の感情に訴えかけるシチュエーションや情景に力点を置いて描いている本作はウェットSFとでも言いたいところだ。火星の焚き火シーンのほろ苦さを真面目に考えたら大変恐ろしいのだが、本作においては感動シーンなのだし、それでいいと思う。最後に気になるのは、バースが買っていた犬はどうなったのかということ! 「平ら山を2012/12/29
赤井流久
0
☆☆2011/07/06