ハヤカワ文庫<br> ディック傑作集〈4〉まだ人間じゃない

ハヤカワ文庫
ディック傑作集〈4〉まだ人間じゃない

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150109691
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

12歳以下の子どもたちが“生後堕胎”の名のもとに殺戮される戦慄の未来を描いた問題作「まだ人間じゃない」、異星人による奇妙な侵略をうけた地球の物語「フヌールとの戦い」、広告戦争が極限まで達した騒々して未来社会を描いた「CM地獄」などの秀作中短篇8篇をおさめたほか、詳細な自作解説や、孤高の天才ディックが心情を赤裸々につづり、作品世界への鍵となる貴重なエッセイも併録した決定版ディック傑作集第四巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

38
ゴールデンマンの分冊下巻。全編初読。「フヌールとの戦い」=想い出がいっぱいのサビのフレーズが頭のなかで流れてゲラゲラ笑いながら読み終わるイメージ。ちょうどいいお下品加減。「かけがえのない人造物」=境界線のゆらぎが延々と続くお馴染みの感覚が楽しめる。現実だったものが灰燼と化し指の隙間からこぼれ落ちていくようなアレ。特筆すべきは二転三転という形ではなく、たたみ掛けるように現実の崩壊が折り重なっていく点。猫のくだりはさすがに胸が痛くなった。モチーフの一部は電気羊と同じ。タイトルも優れていてこの一冊では一番好き。2018/09/27

アキ

6
なぜだか切ないほどに救いようのない未来、ノスタルジックな想いに囚われる結末で綴られるフィリップ・K.ディックの短編集。そこに確かに感じるやるせないほどの人間臭さ…2013/10/24

ニミッツクラス

6
ディックの短編集の邦訳版4書の4作目。80年のThe Golden Manの2分冊の2巻目となる。54-74年に米SF各誌に掲載された8編を収録している。表紙は・・幾つかの作品の複合イメージだろう(読んだのは92年の第1刷)。表題作は話題提供だろう。人類のメンタリティを形成してきた進化や文化の形態からすると抵抗を感じるが、他方で現在でも堕胎の線引きは神が決めたものではない。婚姻や受胎を国家試験にした方が未来的な話が書けるだろうから、あえて矛盾を突いたのか。「かけがえのない人造物」は胸を打つ。★★★★★☆2012/09/09

宗蓮

3
(図書館より貸借)昔読んだのか?ウ~ン、面白い。特に「かけがえのない人工物」「小さな町」「まだ人間でない」の三つ。「かけがえのない人工物」は幻想に気づくが、その上の幻想に気づいていない主人公にうまくいえない共感が生じた。「小さな町」は主人公の狂い方が現代人と相違ない。オチも面白かった。「まだ~」は、まず設定そのものに感心。(昔、逆のものを。と結果乳母捨て山になっててうなだれたのはいい思いで……)ホントに魂とか、人間たらしめているのって何であって、それが結局なんだっていうんだろ?→コメントへ続く2015/07/26

記憶喪失した男

3
「かけがえのない人造物」はディック短編ベスト10に入れる。「まだ人間じゃない」も面白い。

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