内容説明
第一次大戦からアフガン空爆まで、あらゆる戦争に共通する正義捏造、自国正当化のからくりを気鋭の歴史学者が読み解く。 戦争の見方を根底から揺るがす衝撃の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
110
1「われわれは戦争をしたくはない」2「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」3「敵の指導者は悪魔のような人間だ」4「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」5「われわれも意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」6「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」7「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」8「芸術家も知識人も正義の戦いを支持している」9「われわれの大義は神聖なものである」10「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」の10項目。→2022/04/25
5 よういち
84
1928年にロンドンで出版されたアーサー・ポソビーの著書である『戦時の嘘』を下敷きにして、そこに記された"戦争プロガバンダ"を豊富な事例を挙げながら解明していった本である。◆正直、軽い衝撃を受け、参ったなという内容である。庶民もノホホンとせずに知っておくべきなんだろうね。戦争を始める直前に国家元首は必ず言う。『我々は戦争はしたくない』と。まずは平和を愛しているという見せかけである。1914年のフランスの動員発令の際にも、1915年のドイツ首相も『我々は決して戦争を望んでいない』と宣言している....2019/06/29
keroppi
79
原書は、2001年に書かれたものらしい。それなのに、ここで書かれている言葉を今も日々耳にしている。これまでの戦争で各国が語っていたことをまとめているのだが、今も全く同じことを各国が語っている。ロシアだけでなく、西側も。そして私たちも自分の耳にいいことだけを信じようとする。著者は、言う。「疑うのが我々の役目だ。」2022/08/06
たまきら
50
暗い気持ちで読み始める。同時に20年前に書かれたとは思えない。既視感を覚える。戦争プロパガンダが時を超えて普遍なせいだ。忙しい人は目次だけでも読んでほしい。それだけでも気づかされることがあると思う。「われわれは戦争をしたくはない」という1章から、10章「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」まで、すべての見出しをすべての人が見聞きしたことがあるはずだ。そしていつの時代も若者が消費されていく…。この本はそのからくりを暴露してはくれているが、その先は示してくれない。宿題なのだと思ってじっと考えている。2022/11/21
100
47
国家からの、特に戦争にからむ情報発信に偽りが含まれている事は想像に難くない。更に、偽りがあからさまな情報発信ですら世に受け入れられてしまう。このようなプロパガンダの常態化は、批判の声を小さくさせ、あらゆる場面への拡がりを許す事になっている。これは新しい、指導者に必須の文法なのか…2024/08/14
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