感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
8
78年の280円の初版を読んだ。このカバーで裏表紙の概略を見て、手に取らないSF読者はいないだろう。言うまでも無く「宇宙大作戦」のブリッシュ(当初はノベライズ)だが、この“宇宙都市”シリーズの方が10年以上も先に書かれている。ノベライズ作品にも溢れているブリッシュの丁寧な筆致と物語の構成力はすでに本作から健在だ。ちゃんと説明すると言う事は嘘でも理解できなくても(笑)大事だ。スピンディジー(反重力機関)とアスコマイシン(抗老化剤)をじわりと浸透させ、そして“二度と戻る必要のない”旅に出発! ★★★★☆☆2015/10/20
ふじい
3
今日でいうテレプレゼンスロボットを使った木星の謎の巨大工事。ワシントンでの政争、ニューヨークの製薬会社の陰謀に休暇中の宇宙飛行士が巻き込まれ、木星第五衛星で崩れ続ける橋建造の苦役が続く。 宇宙の終わりまでを描く未来叙事詩「宇宙都市シリーズ」の序章です。こども時分に時の挽歌から逆さまに読み始め、今回読了。 冷めた作風と言われるが、いえいえ次世代に託すという一貫したテーマが熱いです。 2018/09/03
羊男
3
1956年の作品。木星に巨大な橋が架かってて、不死の薬が開発されたらソ連はどうなるとか、スケール感に戸惑うが、割とドラマ仕立てで進んでいくのが不思議。四部作の1巻だが、続巻を読むかは微妙。2016/10/16
スターライト
3
ジェイムズ・ブリッシュのハードSF〈宇宙都市〉シリーズの第一作。ある企業での老化防止剤の開発と、木星に建設された巨大な氷の〈橋〉。一見結び付きそうにないこの二つをめぐるストーリーが交互に語られ、それが結末で一つになっていく。専門用語に惑わされて、〈橋〉と反重力の関係がよくわからなかった。こう書くと何やら難しげだが、物語自体はスリリングな展開(特に老化防止剤に関わる部分)で最後まで興味を持たせるので面白く読める。反重力を、ソビエトと西側との対立の解決法としているのは意表を突かれた。2011/11/22
たっつみー
2
ワシントンで行われる謎の研究に巻き込まれた(自ら飛び込んだ)航宙士と木星で巨大な橋の建造に携わるちょっと病み気味の技師のパートが交互に描かれる。 専門用語が多くて筋を飲み込みきれないまま話が進んでいくが、終盤はきっちりエンターテイメント。続編も読まねばなるまいて。2019/07/07