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内容説明
ロサンジェルス市警の「地域防犯調停局」―頭文字のCROから“カラス”と揶揄されるこの部署は、生活環境に関するあらゆる問題に対応する民事専門の特務隊だ。パトロール警官から転属となったハリウッド・ネイトとロニー・シンクレアは、異動早々、騒音被害や迷惑駐車に関する苦情から家庭内暴力に関する通報にいたるまで、押し寄せるクレームの処理に追われていた。そんなある日、蟲惑的な美女と出会ったネイトはその妖しい魅力に取り憑かれ…。警察小説の巨匠が、虚飾の街の警官たちの悲喜交々を活写した、『ハリウッド警察25時』の続篇。
著者等紹介
ウォンボー,ジョゼフ[ウォンボー,ジョゼフ][Wambaugh,Joseph]
1937年ペンシルヴァニア州生まれ。1974年に退職するまでロス市警に勤務。1970年のデビュー作『センチュリアン』はベストセラーとなり映画化された。2004年にMWAの巨匠賞を受賞している
小林宏明[コバヤシヒロアキ]
1946年生。明治大学文学部英米文学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
11
「ハリウッド警察25時」の続編。政治的公正の建前から議会や警察官僚は現場警察官の手足を縛る方向に向かう。社会の現実に苦闘する彼らを描いた前作とほぼ同様、ハリウッドを管轄する警察署を舞台とするのだが、本作ではそうした社会の軋轢を受けて考え出された、苦情処理を中心とする民事担当である地域防犯調停局CROつまりカラスと呼ばれる部隊が中心となり、悲喜交々の姿を見せてくれる。考えてみればCROは日本の警察活動の多くに近いが、その勤務環境は米国らしく凄まじい。推理や無理矢理の犯人当てはなく粛々と2段四百頁を楽しんだ。2024/08/06
一乗寺隼人
7
ジョゼフ・ウォンボーはもっと紹介されてもいいと思うんだけど、いかがでしょう?2019/05/28
三門 優祐
2
傑作。キャラクター造形は前作同様秀逸。前作はプロットの求心力が弱く、最後のひっくり返しもあまり効果的に機能していなかった。だが今回は、謎めいたメインストーリーを軸に、サブストーリーをちりばめていく方向に意図的に切り替えたようだ。ウォンボーの初期作品は、完全に絶版状態だが、新たに評価を得つつある現状、何らかの形で日の目を見るべきだと思う。2009/09/21
newhavana
1
前作が面白かったので前作の八か月後を描く本作を連続読破。登場人物も半数ほど再登場。更にハリウッド地区トラブルバスターズのような特務隊登場で、世間末端の細々した軽罪処理が益々事細かに書き込まれてゆき、現場最前線で身体を張る制服警官たちの奮闘は前作以上に盛り上がる。同意判決とやらに雁字搦めになりながらも、やるべきことは必ずこなす警官達への著者の敬意と愛情に満ちた物語。コンプラ・ポリコレが米国でも悪弊化している状況が良くわかり同時代小説としての醍醐味もある。前作以上の喜劇調エピソードが多く、何度も爆笑できます。2024/03/10
にゃー
1
前作の方が良かったなぁ。キャラの魅力がなくなった気がする。2009/09/29