NHKブックス
カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910955
  • NDC分類 487.95
  • Cコード C1345

内容説明

中生代の地球で、恐竜は巨大化の道を選び地球上を制覇したかに見えた。一方、哺乳類は一日食物をとらないと生死にかかわるという高代謝を選択し、餌獲得のために知能を発達させ、次の主役となった。しかしカメは第三の道である低代謝を選択し、餌がなければ1ヶ月以上でも待つことができる体を獲得した。その結果、ガラパゴスゾウガメは200歳を超える寿命の固体も確認されている。あわただしく攻撃的に生きる40年(自然状態でのサルの寿命)とゆっくり打たれ強く生きる200年のどちらに価値があるかはだれにも決められない。地球生命を相対化する視点から語る、意欲的なカメの進化学入門。

目次

第1章 カメの体の驚異的な仕組み
第2章 多様な環境に進出したカメたち
第3章 謎だらけの起源
第4章 恐竜時代のカメたち―世界への大拡散
第5章 海ともう一つの世界へ―最古のウミガメの姿
第6章 甲羅を力に変えて―哺乳類時代のカメたち
第7章 迷惑な保護者

著者等紹介

平山廉[ヒラヤマレン]
1956年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学経済学部卒業、京都大学大学院後期博士課程中退。帝京技術科学大学講師、帝京平成大学助教授を経て、早稲田大学国際教養学部教授、理学博士。専門は化石爬虫類、とくにカメ類の系統進化や機能形態学、古生物地理学の大きな関心をもっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ひよこまめ

13
進化について、骨格について、化石について。色んな種類の亀がいるんだなぁと思うのと同時に、名前を見てもどんな亀なのかイメージが湧かないのですごくもどかしかったです。化石の発見やクリーニングについての話も魅力的なので、図鑑で写真を見たり生態を調べたりして、もっと亀のことを知りたくなりました。口絵のメイオラニアの骨格はすごくかっこいいです。2014/05/22

とろまつ

8
恐竜の化石が出るところには、カメの化石もよく出るらしい。筋肉は少なく動きも遅いが、身を守る甲羅を発達させることで生き残ってきたカメという生き物の変遷が面白い。古代のカメは首を引っ込められない構造だが、その分頭から尻尾の先まで武装していてカッコ良い。人類の登場により急激に種数を減らしてしまったのはいたたまれない。甲羅の中に頭を引っ込めた状態がどうなっているのか、絵を見ても不思議だ。2022/05/14

静電気質

3
よくよく考えると、カメっておかしな生き物です。▽代謝を極限まで抑えることで最大200年くらいの寿命を生きることが出来ることになったそうですが、そうなるまでの進化の過程や、種としての戦略、稀に見る多様性を獲得した経緯なんかが丁寧に解説されています。▽個人的にはあの甲羅の中がどんな感じになっているのか、とか、カメの首がどうやって甲羅に格納されるのか、とかが、わかっただけでも面白かったです。2015/02/06

takao

2
ふむ2022/08/21

Megumi Odajima

2
本格的!化石のクリーニング、溶液で溶かしては2-3mmでてきた化石だけ樹脂で固め、また溶かし・・・1体3か月でも早いという。現代の感覚では気の遠くなるような話だが、2億年前から延々と進化してきた彼らを理解するためにはそのくらいの時間は必要ですよね。うちのカメがねぇ、と感無量。楽しく読み進めたのだが、最終章で人間のせいで多数のカメが絶滅してしまったという(食用にされて)箇所にしょんぼり。われらのご先祖が生き抜くためとはいえ、さみしい話である。せめてこれからは、生体系の破壊に極力気を付けていかねばと思った次第2013/11/13

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