NHK出版新書<br> 自衛隊の転機―政治と軍事の矛盾を問う

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NHK出版新書
自衛隊の転機―政治と軍事の矛盾を問う

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140884706
  • NDC分類 392.1
  • Cコード C0231

出版社内容情報

発足以来60年、「戦闘」を経験せずにきた自衛隊が今、変わろうとしている。どんなリスクが待ち受けているのか。海外派兵の実務を仕切ってきた元防衛官僚の渾身の提言、国民の覚悟を問う。

内容説明

憲法九条の下、専守防衛の軍として戦後、一発も実戦で撃たなかった自衛隊。集団的自衛権行使と国連PKOでの武器使用拡大路線で、自衛隊の役割はどう変わるのか。日米同盟と憲法のはざまで、悩みながら海外派兵の実務を仕切ってきた元防衛官僚が、発足以来六〇年の矛盾に向き合い、拙速な法改正に異を唱える。どんな大義のために、殺し殺されるリスクを、自衛隊に負わせるのか。国民の覚悟を問う一書。冨澤暉氏(元陸上自衛隊最高幹部)、伊勢崎賢治氏(元国連PKO幹部)との白熱の鼎談を収録!

目次

第1章 自衛隊を取り巻く矛盾(自衛隊と「国民」をつなぐ;変わりゆく時代のなかで;矛盾の限界)
第2章 鼎談・前線からの問題提起(政治の論理と現場の乖離;好戦的に変わったPKOと、自衛隊員のリスク;憲法と集団的自衛権;誰が責任をとるのか;日本はどう貢献するのか)
第3章 いまこそ自衛隊から平和を問い直す(国民の期待と自衛隊内の不満;リスクを理解しているか;日米同盟を考え直す;イラク派遣の成果;海外派遣の課題;政治と自衛隊、憲法の論点)

著者等紹介

柳澤協二[ヤナギサワキョウジ]
1946年生まれ。元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長。国際地政学研究所理事長。1970年東京大学法学部卒業後、防衛庁入庁。2004年から2009年まで第二次・第三次小泉内閣、第一次安倍内閣、福田内閣、麻生内閣で内閣官房副長官補として安全保障・危機管理関係の実務を担当。2014年6月「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」を設立、代表を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

26
民間に被害がないことが明らかな事故は、隠し通せるのではないかという誘惑にかられたが、どこかで露呈。問題は大きくなり、防衛庁は過去にも不祥事あったため不信感を避けねばならなかったという(27頁~)。今や、安保法制で防衛装備庁だからな。おっかね。従来の憲法解釈は、ガラス細工と称したが、安保法制では歯止めなし(63頁~)。テロの標的もおっかね。安保法制下では、自衛隊活動と憲法の適合性は現場で失われる(72頁)。由々しき事態。大切なのは統率で、指揮官の言うことを、隊員に納得させること(113頁)。2015/11/29

coolflat

14
自衛隊の海外派遣は大きく3つの矛盾を抱えている。第一に、自衛隊は外征軍としてデザインされていない。自衛隊の師団の規模(約七千~九千人)は、米軍などと比べて半分程度の人数しかいない。国内で戦うことを前提としているために、補給などの後方支援部隊の規模を小さくしている。第二に、隊員の心構え。PKOなどこれまでの自衛隊の海外活動は人助けという善意が通用していたが、イスラム国など過激派勢力との戦いには通用しない。第三は、憲法との整合性。海外での武力行使を予定していない憲法の下では、警察と同じ法理で働かざるをえない。2016/02/23

禿童子

9
柳澤・冨澤との鼎談の中の伊勢崎賢治の発言:「もともとの動機がドメスティックなものだから、海外に送られた自衛隊の現場に無理が出るのは当然です。でも、もう、この問題に決着をつけるときが来ているのではないでしょうか。自衛隊を法的に軍事組織として位置付ける。そして、海外派遣を禁止することで、自衛隊を専守防衛の軍事組織にする。そして、集団的自衛権と集団安全保障は、非武装のみでの貢献。落しどころとして、どうでしょう。」2015年7月11日収録。2016/05/10

たかひー

1
★★★ もと防衛官僚だけになかなか勉強になる意見があった。2016/04/28

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