出版社内容情報
幕府も倒幕派も、
競って英語を学び始める──
・伊藤博文(長州)…密航留学で攘夷から開国へ
・大隈重信(佐賀)…各国憲法を英語で読了
・榎本武揚(幕府)…多言語を操る国際通
福沢諭吉、勝海舟、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、坂本龍馬、森有礼、
徳川慶喜、ジョン万次郎、寺島宗則、渋沢栄一、夏目漱石……などが躍動!
江戸幕府を倒し、新しい「日本」の形を模索した明治維新。水面下では、言葉をめぐって「もう一つの闘い」が繰り広げられていた。迫りくる西洋列強と外国語で交渉できなければ植民地にされかねない。まともな教科書も辞書もない時代、サムライたちは必死に西洋語を学び、欧米に密航留学した。漢学、蘭学に加え、英語、独語、仏語が乱立する中、なぜ英語が新しい国家を創る原動力となりえたのか? 英語教育史の第一人者が、これまで語られてこなかった視点から幕末・明治に光を当てる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
2
英語という黒船の衝撃 蒸気船と大砲装備の黒船 西洋標準たる万国公法 不平等条約治外法権と関税自主権 脱亜入欧思想の浸透 近代化による幕府延命策 蕃書調所から開成所への発展 辞書経由の西洋政治思想流入 陸軍仏語海軍英語の必修化 西洋兵学による倒幕軍形成 グラバー商会経由の武器輸入 明治十四年の政変と国家主義傾斜 不平等条約改正という挑戦 岩倉使節団と弱肉強食の現実認識 お雇い外国人による知識技術移入 自由民権運動と英学仏学の隆盛 政府主導のドイツ学振興 日本語の革命的変革言文一致 近代的国語辞典言海の誕生2025/04/28
con
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幕末から明治維新にかけての歴史を、その登場人物たちと外国語(特に英語)との関わりという視点で捉えた内容。歴史に対しての新たな視点を提供する内容で、文章もわかりやすく理解しやすい。 また、最後の章の英語が日本語の文体や語彙に与えた影響も興味深い。2025/04/27