内容説明
正月は万歳芸に笑い転げ、春は着物の裾をからげて潮干狩り、夏はミニチュアの富士に詣でウナギを食す。秋は長屋総出で井戸さらい、師走の煤払いが終われば餅をついて年神を待つ―。北斎や広重の逸品から無名の美人画まで、絵の中に込められた四季折々の行事・ならわしを読み解きながら、江戸の庶民の姿をいきいきと伝える浮世絵歳時記。
目次
序 浮世絵は庶民の生活を映す
正月の章―正月にはなぜ門松を立てるのか
春の章―江戸っ子は梅の花が咲くと外へ繰り出す
夏の章―花火を打ち上げ、初鰹に舌鼓
秋の章―七夕に素麺を食べ、秋祭で収穫に感謝する
冬の章―「煤」を払い、「厄」を落として新年を迎える
著者等紹介
赤坂治績[アカサカチセキ]
1944年、山梨県生まれ。江戸文化研究家・演劇評論家。劇団前進座、『演劇界』編集部を経て独立。以来、新聞・雑誌などで歌舞伎、浮世絵、演劇について論じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
69
2014/2/2 ジュンク堂神戸住吉店にて購入。 2015/5/25〜6/1 浮世絵を通して江戸時代の暮らしを探っていく。先日、大阪市立美術館に肉筆浮世絵展を観に行ったが、役者絵や美人画よりも、こういう所ばかりに注目して観た。庶民の文化を知るのはとても面白い!2015/06/01
はちめ
1
美しい図版が多数掲載されている割には絵の細部への言及が少ないのが残念。カラー図版と白黒図版がダブって掲載されているのも疑問。内容が面白いだけに不満足感も残る。詰め込み過ぎということかもしれない。2014/02/28
のせなーだ
0
江戸庶民の季節ごとイベントが紹介され、浮世絵で当時の報道写真を紹介されているのを見るようだ。こうして流れる時間は、メリハリがあっていい。 老若男女、季節を味わって生活している時間は、思い出とともに、現代よりずっとおおらかに流れていたようだ。寿命は今よりずっと短くてもね。私達とどちらが「生きた時間」を過ごしていたかな。2015/09/18
老齢症状進行中
0
江戸の人たちの心豊かな暮らしぶりに驚きました。2023/02/05