内容説明
なぜネットで仲間を求め、見知らぬ他人と死を選ぶのか。中高年の自殺とは様相を異にした、若者たちに連鎖する「ネット心中」。自殺を遂げた人、途中で翻意した人、遺族、ホームページの管理人等への取材を通して、若者が死を志向するにいたった背景、その心理を探る。若者の心の叫びを受け止め、「ネット心中」を未然に防ぐための緊急提言。
目次
第1章 ネット心中の志願者たち(「もう毎日にウンザリです」(奈緒さんの場合)
「『死にたい』なんて口が裂けても言えない」(雅実さんの場合)
「死ぬことしか考えられない」(恵美さんの場合)
「約束したから死ねる」(義紀さんの場合) ほか)
第2章 ネット心中の連鎖
第3章 インターネットと自殺
第4章 自殺系サイトのコミュニケーション
第5章 ネット心中を止めるには
おわりに(ネット心中はいま、あなたの隣で起きているかもしれない)
著者等紹介
渋井哲也[シブイテツヤ]
フリージャーナリスト。1969年栃木県生まれ。東洋大学卒業後、長野日報社に入社。98年フリーとして独立するとともに、東洋大学大学院で教育学を専攻し、インターネットコミュニケーションと居場所について研究
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感想・レビュー
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sakkychang
10
家庭内暴力、いじめ、未来への不安等の理由から死を望む人々。そんな人々をSNS が繋げ心中へ至ってしまう。もちろん必ずしも心中するわけではなく、負のタイミングが合致したときに命は失われる。これは実例を通し、どうなると最悪の結果になってしまうのか、心中を食い止めるにはどうすべきかを考えさせられる一冊。命は尊い。そう言うのは簡単。それがわかっていても死にたいと思ってしまう人は大勢いて、なんら特別ではないものとしてネット心中は今も存在し続けている。自分には何ができるのか読み終わった後ひたすら考えてしまった。2019/02/03
ybhkr
1
2004年発行。今は規制が厳しくなったせいかネット心中かかなり減った。しかし自殺そのものは減っていないし若年化が進んでいることも否めない。10年以上前の事例集として興味深く読んだ。当たり前ではあるのだが、この取材に応じている人たちはネット心中の未遂者である。10年経った今、彼ら彼女らはどうしているのたろうか?事例で気になったのは親が新興宗教の信者で自身二世であった青年。窃盗、少年院、自殺未遂。宗教が彼に与えた影響の大きさ。おばが同じ宗教の信者でイトコたちのことを考えた。宗教の難しさ。2015/02/05
のち
0
知らない相手とだから心中できる、という心理 知ってる相手には話せない悩み 人とのつながり方ってなんだろう。2012/01/29