内容説明
山口県光市・母子殺害、茨城県牛久市・中学生傷害致死、兵庫県稲美町・高校生リンチ死事件ほか、少年凶悪犯罪によって家族を奪われた人々の悲痛な叫び。渾身のルポルタージュ。
目次
第1章 奪われた左目―歯科技工士襲撃事件
第2章 「猛末期頽死」に奪われた少女―女子高校生ストーカー殺人事件
第3章 ずさんな捜査と地域からの孤立―男子中学生傷害致死事件
第4章 加害少年とその親の責任―少年リンチ死事件
第5章 妻と娘を殺した少年に死刑を―山口県光市母子殺害事件
第6章 少年事件の背景―取材ノートから
第7章 少年院で少年は更生するか
第8章 「少年と暴力」論
著者等紹介
藤井誠二[フジイセイジ]
1965年愛知県生まれ。ノンフィクションライター。高校在学中に管理主義教育を告発する社会運動に参加し、卒業と同時に出版されたその記録が、地元で大きな反響を呼ぶ。当事者に伴走しながら綿密な取材と調査をもとに社会矛盾をえぐるルポルタージュを手がけている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
25
少年。この言葉に性差はないんですね。男性だけを指している言葉だと思っていました。そのぐらい男性の犯罪が多い。先日読んだ本で男性の脳に優れた俯瞰能力があり、(ある意味罪悪感など感情を超越し)究極の目的へ進む力があることを知りました。その力を負へ活性化した場合どうなるのか。この本はその結果に終始言及しています。いたたまれないぐらい辛い本ですが、育児の課題として一読の価値があると思います。拒否する勇気を教える。拒否されたら退くという行為を教える。反射的にできるように徹底させたいけれど。ああ…。2018/09/15
かおりんご
21
なんていったらいいのか、言葉にできません。少年犯罪に関する本を「よりみちパン!セ」で読み、もっと深く知りたかったから手にしたのだけれど・・・少年法が本当に加害者少年のためになっているのか、なんだか分からなくなりました。一部の報道だけを聞きかじり、あれやこれや言っちゃいけないし、被害者や遺族が泣き寝入りしなきゃいけないような社会は作っちゃいけないと思います。いろんな人に読んで考えて貰いたいです。2013/10/06
takao
1
ふむ2024/11/08
鈴木律
1
被害者を取材する中で、改正前少年法の理不尽に気付いたという内容。話があちこちに飛んで、全体にまとまりがないけれど、少年院のあり方とかいろいろと考えさせられた。2021/08/09
小鳥遊小鳥
0
別々に発表された記事を一冊の本に纏めているので、やや散漫な印象は否めません。発行年は2002年だから、少年犯罪の扱いが変わっている部分、裁判に進展があった事件もあります。たとえば第四章で取り上げられた山口県光市母子殺害事件は、その後、加害者の元少年に死刑判決がくだされるという形で決着しています。「更正の可能性がなくなったから」という理由で犯人の氏名が公表されたのはこの事件の時でしたっけ?2015/09/19