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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
79
2017年のNHKスペシャルの内容を書籍化。近年、米国の機密文書公開などの資料から、ポツダム宣言の無条件降伏からの東京の一年を中心に描く。ポツダム宣言から二週間で、国や軍の資産の七割が消えてしまったという。政治家、官僚、軍関係者が盗み隠匿。これらの膨大な資産は、戦後社会を動かす原動力になった。冷戦時代を見据えた、米国の意向により、戦争犯罪人は断罪するのではなく、利用することになった。天皇も活用された。ヤミ市やテキ屋などや、国策慰安所などの解説も。なかなか読ませる内容だった。良書。 2018/09/28
こうすけ
27
占領期の日本について知りたくなり読む。この混乱期を市民/国家双方の視点から語っている本は少ないので大変有益。それに新興宗教や天皇、マフィア、スパイ、右翼など、とてもディープなところまで取材してあり、かなり面白い。戦時中の体制がズルズル引き続いて、今につながっていることがよくわかる。超階級社会だった当時の日本にやけに共感できる哀しさ。2021/07/25
niisun
24
占領政策としてGHQにより情報統制されていた戦後ゼロ年の東京の実相に迫った2017年放送のNHKスペシャルを書籍化したもの。闇だらけの内容ですが、戦争に負けるというのは、東京に関わらず、時代に関わらず、こういうことだよなと考えさせられるものでした。戦後、清濁併せ呑んで躍動した児玉誉士夫、笹川良一、岸信介、田中角栄、渡辺晋、正力松太郎などなど。まだ私の世代なら、今の日本が戦後と地続きであることをわずかに実感できる。戦後、高輪の自宅を接収され麻布で暮らした母が“六本木”という呼び名を嫌った理由もよくわかった。2022/02/19
ののまる
8
衝撃❗️そして、現在に通じる様々な疑問が氷解した。戦後ゼロ年、まったく終わってないじゃないか。ブラックホールはさらに量産されている気がする。2021/04/26
モグラ
7
GHQの統治と戦後の生活、フィクサーなど知らない事だらけで面白い! 戦前から権力と金は続いてる事が分かる。市井の人は闇市で食べ物得たりと格差がずっとある。戦前からの岸信介とかの血筋は地位的にも蓄えてるんだろうな 占領軍のために女を差し出すのも日本軍での蛮行から用意していると思った。三国人との対立も警察ではなくヤクザが対応していると書かれているが、今ウトロ地区とか貧困を表に出しているのを見るとよくわからなくなる。やっぱり被害者意識だけが残ってしまうのか?2024/08/17