内容説明
1945年のあの日、「母のたたかい」は始まった。母親はいかに息子を守り、生きたのか。そして息子は、晩年の母といかなる時を分かち合おうとしたのか―壮絶な介護体験の向こうに、知られざる戦後史を紡ぐ、渾身のノンフィクション。
目次
第1章 遺されたメモ帳
第2章 母の戦争―満州での日々
第3章 遠隔介護
第4章 踏み切った同居
第5章 ゴールデン・フェスティバル
第6章 半歩前進一歩後退
第7章 別れの時
著者等紹介
相田洋[アイダユタカ]
1936年旧朝鮮(現・韓国)生まれ。60年、早稲田大学卒業後、NHK入局。慶應義塾大学教授を経て、現在はフリーのディレクターとして活躍。2000年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こすもす
9
壮絶な13年の介護の体験記。 あまりにも壮絶な介護に唖然となってしまった。著者のあのユーモアには脱帽。2016/05/05
貧家ピー
3
元NHKディレクターの著者が、認知症の母を自宅介護した13年間。単なる介護記としてだけではなく、終戦直後の引き揚げの現実、日本移民史にも言及している盛りだくさんの一冊。1945年の終戦から戦いは始まる。満州から著者を含めて子供3人を無事に新潟に連れ帰り、夫と再開する場面は電車で読んでて泣いてしまった。「私の母はリュックサックを担ぎ、その上に三男の弟を肩車のようにして乗せ、右手で次男の手を引き、左手で荷物を持って歩き、その前を私が身の丈ほどもあるリュックサックを担いで歩かされた」風景が目に浮かんで離れない。2015/07/01
yasu_z2
2
ドキュメンタリーの旗手相田さんらしい壮絶な中にもおかしさが混じってなんとも言えない読書感。 在宅介護の大変さが伝わってきて同じく老いた母を持つ身としては他人事じゃなく心配。2015/08/19
EYES
1
なんとも壮絶な13年にもおよぶ認知症の実母と息子の在宅介護体験記でした。私だったらこのような在宅介護は無理、なぜこんなにも頑張れるのか、信じられないくらいです。2015/06/17