内容説明
ペレストロイカ、グラスノスチ―疲弊した祖国を建て直すはずの「改革」の波は、その生みの親たちをものみ込んでいく。コルバチョフはソ連邦を守り抜けず、自らその幕を引く。新生ロシアのエリツィンも、悪化する国民生活、民族紛争や保守派の台頭に身動きがとれない。本書は、95年末の下院選挙などの最新情勢も織り込んで、改革の10年を振り返り、大国ロシアの行方を探る。
目次
第1章 ゴルバチョフとエリツィン―その出世街道 1931‐1985
第2章 ペレストロイカ時代 1985‐1990
第3章 激変する新体制 1990‐1994
第4章 権力路線とチェチェン紛争 1994.2‐1995.7
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TSUJINO Yusuke
1
☆☆☆☆2025/02/26
Cinejazz
0
ソビエト連邦が社会主義と決別し、自由主義世界と融合するかに見えた20世紀末、ゴルバチョフの改革に追従できなかった旧体制派と中途半端な体制でロシア経済を混乱を招いたエリツィン。権力闘争の末の政治遺産が、今日のロシア大統領による独裁政治と想像し得ただろうか。世界は今、前世紀初頭の社会主義に固執する中国共産党と北朝鮮労働党、対する合衆国大統領の保護主義政策、この混沌とした渦に揉まれ続ける世界人類が目指すべき道は何処に。 (B図書館除籍)2017/12/14