内容説明
メジャーリーグで10年連続200本安打を達成した、世界のイチロー。そのイチローのバットには秘密がある。彼は70年以上も前に植えられた「アオダモ」製バットにこだわり、今も使い続けている。アオダモの魅力は驚異的なしなりと粘りで、他の外国産材に比べて格段に折れにくく飛距離がでるバットが出来上がる。かつて一流選手の多くがアオダモ製バットにこだわり、あの落合博満(現・中日ドラゴンズ監督)も、造林現場に足を運びアオダモを自分の目で選んでいたという。しかし、そのアオダモが今絶滅の危機に瀕している。イチローが現役を引退するとき、アオダモは消える……。2003年から2010年、バットを巡る渾身のルポルタージュ。
目次
序章 「どうして、こんなことに……」―2010年夏―
第一章 アオダモは死なず ―2006年早春・その1―
第二章 アオダモの再生 ―2006年早春・その2―
第三章 アオダモを取り巻く異変 ―2008年夏―
第四章 そして、三度目の北帰行 ―2010年夏・その1―
第五章 あの日の若木が…… ―2010年夏・その2―
第六章 機械がバットを作る ―2010年夏・その3―
第七章 いつか来た道 ―2010年夏・その4―
第八章 「三度目の旅」を終えて ―アオダモの今後―
終 章 雨の神宮球場にて ―名もなきヒーローの奮闘―
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダンスにホン!ころりん
4
20110110第1刷発行 160616読了図書館の今日の本コーナーで特集。世界記録目前で借り、読み終わる前に世界記録達成!!1と10並びのバットな日に発行されたのだなぁと眺めていたら、イチローイチローな日で本当におめでとうございます。バットになる前のアオダモ見てみたい2016/06/16
西澤 隆
3
ここ数年NPBのアオダモ植樹イベントの話題に触れることが何度かあったので「アオダモバットは今後も大丈夫」と単純に思っていたけれど、考えてみれば確かにバットに使うまでに70年かかる木を植えて10年そこそこじゃ、まだまだ植樹木の恩恵に浴するのはまだまだ先。その頃にはバットとしてアオダモを使う野球文化は喪われているだろうし生産側と利用側が両方ものすごく長期間継続していないと成立しない「林業」という生業はとてつもなく大変なのだと思う。野球少年がこれを読んでバットや(道具)を大切に思ってくれるようになると、いいなあ2019/06/21
学楽生喜(がくらくせいき)
1
正直、この書評は著者の望んでいるものではないと思います。 アオダモという木が今無くなろうとしている事実。 イチロー選手が愛用するバットに使われているこのアオダモと言う木が、無くなろうとしている事実を伝えようとしているこの本において、私はどうしてもバット職人の久保田五十一さんの言葉が印象に残った。 読んでいて本当にしびれた。私も何かの分野でこのような境地に達する事が出来たら嬉しいと思う。2013/03/12
サイドビ
0
試合中にばきばき折れるバットを見ているとこの本の内容が身にしみます。2015/10/17
★はる★
0
プロ野球選手のバットに使われている木は その昔はトネリコ(現在はゼロだという)、アオダモ、ホワイトアッシュ、メイプル等 硬くてしなりがあるアオダモは多くのプロ野球選手が好み注文が多いという その代表がイチロー選手 アメリカに渡って1年目の時にアメリカのボールに合わせて 形状は同じのホワイトアッシュに変えたけれど 2年目のシーズン途中から再度アオダモに戻したほど そのアオダモの木、アオダモから出来るバットについて 名人・久保田五十一さんや 北海道の西村孫蔵さん この二人の職人気質にも圧倒される それを取り2011/11/30