内容説明
武士は、草深い東国の田舎から都の堕落した貴族を打ち倒すために現われたのか、武を生業とした貴族社会の一員だったのか。古代末期の蝦夷征服戦争は、坂東に武の遺伝子を散布した。平将門、藤原秀郷、平忠常、藤原利仁たちが育んだ武の遺伝子は、武家の棟梁、源頼義、義家、頼朝らによって大きく開花する。古代から中世への転換期にあって、変革の担い手として中世的社会の原形を形成し、「日本国」を生み出す原動力となった武士。七百年にわたる武家政権の原点としての武士の誕生の瞬間を問う、近年、活況を呈する武士論の決定版。
目次
序章 ある武士団のものがたり―烟田一族の盛衰
1 怨乱―蝦夷問題の遺産
2 反乱―坂東の夢
3 内乱―棟梁の時代
終章 武士の発見
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